相手の会社について知識が増えれば「営業」は面白くなる

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   世の中や企業活動について知識も関心もない学生が、単純に「聞いたことのある会社だから」「CMを打っている商品を扱っているから」という基準だけで就職活動先を選ぶことがあります。しかし面接官にとっては、学生から、

「御社の牛丼は他社のものより美味しいと思います」
「有名な商品を作っているところが魅力です」

と個人的な嗜好や興味を聞かされても、困ってしまうでしょう。会社が欲しがっているのは、会社が直面している課題を理解し、解決のために貢献する可能性のある人材だからです。

相手の会社に関心を持てば、徐々に楽しくなってくる

この会社、これからどうなっていくのだろう…
この会社、これからどうなっていくのだろう…

   これと同じようなことが、営業パーソンにもいえます。社会経験の浅い人は、誰もが知っている会社を担当したがります。会社や商品の知名度で、仕事を「面白い」「面白くない」と判断しがちです。

   しかし重要なのは、相手の会社が何に困り、自社がどう貢献できるかということ。それが見えてくれば、意外なクライアントの仕事が面白く思えてくるものです。

   その第一歩は、相手に関心を持つことです。「営業がつまらない」と漏らす人の多くは、相手の会社に関心を持つことができていません。会社の事業や担当者に関心のない人には、自社の商品・サービスでサポートすることなどできません。

   仕事というものは、個人的な興味関心だけで動けるものではありません。むしろ、自分から積極的に下調べをしたり、関心を持ったフリをして相手に話を聞いたりして、知識や情報を得ることで徐々に楽しくなってくるものです。

   仮にあなたがIT企業の営業で、聞いたこともないサービスをしている会社を担当したとします。最初の時点では、つまらない仕事に当たったなと思うでしょう。

   私の経験では、こういうときは、まず「そのビジネスの存在価値」について興味があると思い込むところから始めるとよいと思います。もしもその時点で、周囲から高い存在価値があると見なされていなくても、その「可能性」について自分で考えてみるのです。

新しいコラボの裏に、有能な営業パーソンあり

   そして相手の会社や担当者に対して、

「この業界は、今後どのように展開していくのだろうか」
「この会社は、どういうポジションを占めていくのか」
「この人は、そんな価値観で仕事に取り組んでいるのだろう」

といった関心を持つフリをして、聞き取りをするところから営業は始まります。

   取っ掛かりとしては、「会社の業績」「会社のトピックス」「担当者の業務」あたりを確認することから始めるといいでしょう。それによって得た知識や情報が増えていけば、例えば、

「クラウド化をこう利用すれば、業界のビジネスチャンスがこう広がるはずだ」

といったアイデアが生まれ、取引の提案をすることができます。それがクライアントに受け入れられることが、すなわち受注につながるわけです。

   ある会社で画期的な商品やサービスが生み出される裏には、クライアントの可能性について深く考え、新しいコラボレーションを生む営業が存在していることがあります。自社や自分に深い関心を持ってくれる営業パーソンとは、クライアントも自然と本音に満ちた対応をしてくれるでしょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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