2019年 11月 14日 (木)

大手企業「追い出し部屋」の正しい閉鎖方法

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   年末の朝日新聞による一連の「追い出し部屋」報道が話題となっている。会社が余剰人員を特定部署に集め、離職するよう様々な圧力をかけているという内容で、学生の就職先として人気を集める有名企業も名を連ねている。

   なぜ追い出すための部屋を作るかと言えば、それはもう単純に終身雇用を維持するためである。「希望者は誰でも65歳まで職を保証される」という看板を守るためには、従業員が自発的に辞めるよう仕向けないといけないからだ。

   「日本軍は負けない」という看板を守るために、ノモンハンで負けた後に将校が自殺させられていたのと同じようなものである。

政府がやめさせても企業の生命力が下がるだけ

   ちなみにこの追い出し部屋的なものは別に新しいものではなく、90年代から日本企業のあちこちに存在していて、筆者自身も携わった経験がある。

   「キャリア開発センター」とか「キャリア支援機構」とか、一見すると前向きだが何をやっているのか分からない名前がついているのが特徴で、たいていは疲れ切ったおじさんたちにどうでもいいような仕事が与えられているものだ。

   辞めさせる側も辞めさせられる側も、本業には一円の利益も産まないのだから、これほど後ろ向きな作業もない。

   そういう日本企業の昔ながらの風物詩が今回これだけ注目されたのは、それが日本を代表する錚々たる大企業で、同時多発的に設置されているからだろう。まさに終身雇用が音を立てて崩れつつあるわけだ。

   さて、この追い出し部屋だが、遅ればせながら政府もその実態を調査するという。調査するのは別にいいけれども、その後に政府が何をするのか、やや心配だ。

   彼らが「退職誘導などすぐやめろ」と指導すれば、追い出し部屋はなくなるかもしれない。でも、それは企業の新陳代謝をストップさせ、組織全体のヒットポイントをジリジリ削ることになるだろう。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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