2019年 9月 19日 (木)

「シャア専用ザク」の赤は、なぜ3倍強そうなのか アニメ彩色の知覚心理学

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小豆色とタラコ色が醸しだす「重みのある赤」

   アニメの「赤」で有名なのは、『機動戦士ガンダム』に出てくるシャア専用「赤ザク」ですが、あの色も「ガンダムの赤」とは差をつけています。

   ガンダムの赤は「青」と「白」を目立たせるようなシャインレッドですが、シャア機の「赤」は鉄鋼の錆色にも似た重量感のある小豆色です。

   もう少し詳しく説明すると、赤ザクの頭部と腕、脚は「タラコ色」なのですが、小豆色に干渉されたピンクは「重みのある朱色」にみえます。この色は量産型ザクのミドリ色の補色でもあり、この組み合わせの妙が「ガンダムの世界観」を醸し出しています。

   ファーストガンダムで色指定をした人は、「オレがあの赤をつくったんだ!」と豪語していましたが、真偽はともかく、あの赤ザクの色指定は傑作だと思います。

「青いランチョンマットを使うと、食欲が減ってダイエットになる」

という説がありますが、色が人間の感情や心理に与える影響は意外と大きいものです。

   おいしそうな色、強そうな色、優しそうな色…。アニメの色も単純なようで複雑です。無限にあるアニメカラ―のなかから心にひびくアニメの色を設計するプロ、色彩設計の仕事は、アニメのリアリティをひそかに支えているのかも知れません。(数井浩子)

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
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