2024年 4月 19日 (金)

「アニメが好き」というだけでは、仕事として続けられないこともある

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「好きではないけど楽にできる」コツがある

   私が30年もアニメをやっていると言うと、OLの友人は「よく飽きないね」といいますが、実はアニメと言っても日々同じ仕事をしているわけではありません。作画やデザインをすることもあるし、コンテを切っていることもある。ときには新企画のお手伝いをすることもあります。

   私にとって、すべてが得意なことでもないし、すべてが好きともいえません。しかし、そういったさまざまな仕事に携わることで、新鮮な気持ちで仕事に向かえるという恵まれた環境にあるといえるのかもしれません。

   ちょっと疲れ気味のときには「得意な仕事」で仕事に勢いをつけたり、「好きな仕事」をすることでかえって疲れが飛んだりすることもあります。経験を積むことで、「不得意でやりたくない仕事」が「好きではないけど楽にできる仕事」に変わることも、新しい自分を発見するような楽しい体験です。

   「好きではないけど楽にできる」ようになるコツは、だれよりもそれに時間を費やしてみることです。米ボーイング社の理念に「航空学の世界に寝食を忘れて没頭する」というものがあるそうですが、プロで長く仕事をしている人で、いちども仕事に没頭した時期のない人は不思議といません。

   「仕事だけが人生じゃない」というのは、その通りだと思いますが、若いころにいちど仕事に没頭することで、「仕事って面白いもんだな」という経験を得られるのは幸いなことだと思います。(数井浩子)

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
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