2020年 8月 10日 (月)

「俺がこの会社のナンバーワン営業だ!」 豪語する社長に社員はドッチラケ

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「社員に『盗む機会』を与えてあげてもいいころでは?」

   この話を聞いて、ああ、この社長も先代へのコンプレックスがあるのだなと思いました。代替わりして2年。先代のような技術力がない自分が、製造業のトップとして技術者にバカにされたくないと感じ、営業力を誇示して存在感を主張しようとしたのではないかと。

   私は当時銀行員でしたので、コンサルタントのように核心をつきすぎてもまずいと思い、こんな提案を遠回しにすることが精一杯でした。

「先代は有能な技術者を何人も育てて、業界では“Z社学校”と言われていたそうです。職人は『技術は盗むものだ』とよく言いますが、営業でもそれができるといいですよね。社長も社員に、盗む機会を与えてあげてもいいころじゃないですか?」

   社長は、なるほどという表情をして、「いや、オヤジは教え上手じゃなかったと思うよ。口下手だったしね。でも、あれだけの技術者が育ったんだから大したものだ」と答えました。

   3か月ほどして専務が銀行に来たとき、「社長の仕事振りが変わってきた」と教えてくれました。棒グラフに名前を入れるのをやめ、「俺の実績をみんなに振り分けてやる」と言って、自分の訪問先に社員たちを同行させるようになったのだそうです。

   勘のいい経営者は、ちょっとしたヒントをすぐに取り入れて方向修正し、会社をあるべき方向に導いていってくれるものだなと、感心したものです。Z社はその後の不況下でも、受注を伸ばして業績順調のようです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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