中国・広州交易会には「日本の会社で雇われる」以外の生き方が転がっている

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   前回も紹介した、中国で開催された世界最大級の見本市「広州交易会」。そこには、膨大な量の製品と人が集まっていました。写真で見ると大きさが分かりますが、これでも1つの会場の半分が写っているにすぎません。これと同じ大きさの会場が20以上あるのですから驚異的です。

   私は現地に3日ほど滞在したのですが、それでも全てを回り切ることはできませんでした。会場を歩いていて感じるのが、その多様性。多種多様の国籍、人種、性別、年齢の人たちが、スーツだったり短パンにサンダルだったり。言葉は悪いですが「有象無象」といった印象の製品を物色しています。

「他の人がすぐ参入できて値段の下がるもの」は危険

広州交易会の正式名称は「中国輸出商品交易会」。中国の貿易権は申請すれば誰でも得られる。会場はとにかくデカイ…!
広州交易会の正式名称は「中国輸出商品交易会」。中国の貿易権は申請すれば誰でも得られる。会場はとにかくデカイ…!

   例えば、iPhone5の充電ケーブルや、Mac Book Airとプロジェクターを繋ぐケーブルなどは、一個100円程度で売られています(ただし、1000個以上の発注が必要)。

   これを持ち帰ってネットで販売すれば、結構儲かりそうだなと思ったのですが、同行していた日本人の貿易商によると、有望な商品を見分けるポイントがあるようです。

「こういう、誰にでも価値が分かる物は、他の人もすぐに参入してきて値段が下がるから、安易に手を出すのは危険ですね」

と言っていました。実際、日本語ができる中国人が、日本人向けにサイトを作って売りさばく場合も多いそうです。

   狙い目の製品は、ある程度単価が高く、日本であまりメジャーではないが確実に需要があるもの。そして、現在日本で売られている価格より圧倒的に安いものです。

   日本では2~3万円で売っていた美容用品が、2000円程度で売っているのを見かけましたが、品質を見極める必要があるものの、うまくいけば大きな収益をもたらす可能性があると思いました。

   構造がシンプルで、壊れにくいものであればなお有望。その貿易商によれば、価格が圧倒的に安ければ、不良品率が高くても、交換対応などサポートをすればビジネスになりうると言っていました。

日本人の貿易商「ここに来ればいつでもやり直せる」

   今、多くの日本人は、自分の人生の先行きに不安を感じていると思います。その理由のひとつは、「日本で会社に勤める」ことしかお金を稼ぐ方法はない、と信じてしまっているからではないでしょうか。

   本連載では「海外で働く」という選択肢を紹介していますが、それ以外にもお金を稼ぐ方法はたくさんあります。広州交易会では「生産地で安くモノを買い、自分のホームタウンで高く売る」という、原始的でシンプルな商売の種が無数に転がっています。

   広州交易会で日本で成功しそうな条件に該当する製品を探して輸入し、ネット通販で販売をしている人たちは日本人にも結構います。彼らは「日本で会社に勤める」以外の稼ぎ方を知っています。今回同行した貿易商の方も、

「自分は、今やっている事業が全部潰れても、広州交易会に来て売る物を探せば、いつでもやりなおせると思っている。コンビニで深夜バイトして20万稼いで、ここに来ればいつでも復活できるという確信があるから、あまり怖い物はないですね」

と楽観的に言っていました。

   広州交易会は毎年春と秋に開催されており、開催回数はすでに110回を超えています。普通のサラリーマンも、一度このような場に来てみて、シンプルなビジネスの可能性を身体で感じてみるといいと思います。

   会社が潰れてもクビになっても、自己都合退職しても、こんな商売をやれば生きていけるなという見込みがあるだけで、人生は何倍も楽しくなると思います。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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