2019年 9月 15日 (日)

クルーズの残業削減「残れまテン」制度 労働時間と売り上げは必ずしも比例しない!

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   ソーシャルゲームなどのインターネットサービスを提供するエンターテインメント企業のCROOZ(クルーズ)。「働く環境を良くする」をモットーに「エンタメ感」溢れる数多くのユニーク人事制度を運用していると話題だ。

   六本木ヒルズ森タワーの38階、「CROOZ」ロゴの扉の向こうに広がるエントランスは宇宙船さながらの異空間。受付電話で来訪を伝え、操縦席のようなイスでしばし待機。タッチパネルのゲーム機らしきものに触れると、こんなクイズが映し出された。

「Q1 CROOZでは22時以降会社にいることができない。ホント? ウソ?」

「2時間の仕事を30分で」思考の切り替えが大事

原因は人員なのか、マネジメントか。残業は「問題の表れ」と考え、役員会が解消策を検討する
原因は人員なのか、マネジメントか。残業は「問題の表れ」と考え、役員会が解消策を検討する

   クイズの答えは「ホント」。これは同社の人事制度の一つ、「残れまテン」を指している。名付け親である同社取締役、プライスレス本部・執行役員の対馬慶祐氏は、人事制度を考える上でネーミングはとても大事なポイントである、と語る。

「制度を運用に乗せるためには、その言葉が社内で一人歩きしていくような、シンプルかつイメージしやすいものがいいと考えました。最近では採用面接でも、求職者から『ウェブサイトで残れまテンのことを知り、興味を抱いた』と言われることもあります」

   「残れまテン」が制度化されたのは2010年。制度化の主な目的は、仕事の効率化と社員の体調管理だった。導入直後の社内の様子を、対馬氏は今でも鮮明に覚えている。

「それまで終電近くまで残っていた社員の多くが、22時までに退社するようになりました。制度としての即効性はあったと思いますし、その効果は今も変わりません。大切なのは、役員全員が残れまテンを徹底して守っていること。我々が率先して守り続けるのが、制度を風化させないポイントだと思います」

   JASDAQ上場会社でもある同社。当初は残業時間の短縮が売り上げの足を引っ張らないか、との不安の声も挙がった。しかし「残れまテン」導入後も、売り上げは伸びたままだ。

「売り上げは、必ずしも労働時間に比例するわけではありません。私が入社した創業当時(約10年前)は、仕事が深夜に及び会社に宿泊することが頻繁にありました。現在の総労働時間は創業当時の労働時間と比較すると激減していますが、売上は10倍以上になっています。売り上げか残業削減かの二者択一ではなく、22時退社で売り上げを上げるにはどうすればいいのかを考える。2時間の仕事を、どうすれば30分で終わらせられるか。そうした思考への切り替えが一番の狙いでもあり、その効果が業績向上にもつながっていると感じています」
上場・中堅企業の人事・総務部門に多くのコア読者を持つ月刊ビジネス誌。専門性の高い著者・ベテラン記者らによる鋭利なコンテンツラインナップが評判。1991年創刊以来、これまでの取材先企業は1,000社を超える。本連載では月刊『人事マネジメント』掲載記事をJ-CAST会社ウォッチ企画として抄録し公開している。
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