2024年 4月 27日 (土)

「ヘッドハンティングされたので給料上げて」 エースの申し出に会社困惑

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社会保険労務士・野崎大輔の視点
マネジメント以外で昇給するキャリパスを作った方がいい

   A君の興奮も分かりますが、本当に200万円アップが実現するかどうかは未知数だと思います。具体的な企業とマッチングが成立したわけではなく、人材紹介会社から声が掛かっただけですから。ヘッドハンターが甘い言葉を掛けているのはA君だけではありません。A君には冷静になってもらいたいと思いますし、会社も浮き足立つ必要はないと思います。

   ただ、現状の給与体系が「優秀なエンジニア」を処遇するのに適していないという問題があれば改めるべきでしょう。開発会社はエンジニアが命ですから「マネジメントをやれば給料があがる」というルートしかないと、大事な人材が流出してしまいます。A君の今後のキャリアパスを示すためにも、専門性を評価する軸を新たに設け、200万円とはいかずとも給料アップを検討してあげてもいいのではないでしょうか。また、人材流出を前提に後継者育成を強化することも重要だと思います。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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