2020年 7月 17日 (金)

馬鹿にできない屋台ビジネス 「就職」も「起業」もしない人の選択肢

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   私はいまベトナムを拠点に生活しています。こちらでとても面白いのは、朝だけ出店する屋台がたくさんあるということです。朝6時から開店し、8時くらいにはもう売り切れて閉店してしまいます。朝の2時間だけの営業で、その後は看板も引っ込めてしまいます。

   朝は屋台で賑わっていたのが、昼には何もなくなる。朝と昼では、まるで景色が違うのです。さらにこの屋台、どのくらい儲かっているのかを計算してみたら、びっくりしました。実は凄まじく儲かっているのではないか。

工場労働者の4倍以上の収入を得る「カレー麺のおばちゃん」

工場に雇われ朝から晩まで働かされるか、それとも自分の屋台で1日数時間働くか(ベトナムにて)
工場に雇われ朝から晩まで働かされるか、それとも自分の屋台で1日数時間働くか(ベトナムにて)

   たとえば、家の隣にあるカレー麺のようなものを出す店。ここは朝6時からお客が来て、7時半には売り切れます。一杯2万ドン(約1USドル)です。これが、朝の1時間半のあいだに30杯くらい売れているように思います。これだけで30ドルです。

   月に25日間営業すると、しめて売上750ドル。原価が3割くらいだとすると、儲けは525ドルになります。普通のお店なら、この中から店舗や従業員の費用を出さないといけませんが、この店は屋台というより民家。家の庭に相当するスペースに机と椅子をちょっとおいているだけです。

   調理器具も、カレーを煮込む大きな鍋が1つだけ。メニューもカレー麺のみで、毎朝作りだめしておけばOKです。そこの家のおばさんがつくっているので、他人に人件費も払う必要なし。家賃も自分の家だから、追加で払う必要なし。

   儲けの525ドルは全部自分の懐に入るわけです。もちろん、毎朝カレーを作って売る労力は掛かりますが、これがどれだけ効率がいいかをお教えしましょう。

   ベトナム人の工場で働くような労働者は、およそ稼ぎが月に150ドルというのが相場です。そんな国で朝に2時間だけカレーを売っているおばちゃんが、月に推定525ドルの儲けを出しているのです。

   計算してみてびっくりしました。これぞ屋台マジック。投資がいらず、支出も少ない商売であれば、ちょっとした売上でも、すごいインパクトがあるのです。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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