「川中様」「アナ尻」「イギリス持って来て」 業界違えばコトバも変わる

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   「ギロッポンのオケカラでターウーしてからのシースーがマイウーで…」なんて言葉を使う人はいまどきいないだろうが、仲間意識を高めたり仕事の効率を高めたり、ときには自分の身を守るために、業界内でのみ通用する隠語、用語は数多く存在するようだ。

タクシーで「大きな忘れ物」は一大事

「えー、大きな忘れ物です。持ち主は身長180センチくらい、黒の上下にサングラス…」
「えー、大きな忘れ物です。持ち主は身長180センチくらい、黒の上下にサングラス…」

   2013年6月10日放送の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)では、百貨店業界の「隠語」を紹介していた。店員が「店長、あの方『川中様』です」と報告した場合、「川中様」は万引き犯を意味するという。

   その語源は定かでない。名字が「川中」の人にとっては迷惑な話だが、万引き犯本人に気付かれないように店員の間で情報を共有するには有効だろう。

   ネット上には、家電量販店では万引き警戒を「8番」と番号で伝えるという例や、万引き犯が来店すると館内に「ピンクパンサー」や「007」のテーマ曲が流れるといった書き込みも見つかった。

   大手スーパーでは、万引きは「在庫です」。館内放送で「ただいま店内が大変混み合っております。お荷物には十分ご注意ください」と流れると、スリや置き引きが発生した合図だという。

   タクシー業界も隠語の宝庫だ。番組で紹介された無線連絡の用語では、「落下物に注意」はドライバーに向けた「警察の取り締まりへの注意喚起」、「調整してください」は「食事休憩をとってください」の意味だという。

   「大きな忘れ物」との連絡が入ったら一大事。「タクシー強盗が発生した」という知らせだからだ。「持ち主」の特徴が伝えられた場合、それがそのまま犯人の見た目や服装を指していることとなる。

「このバッテラ、ワラっといて」と言われたら

   普段は身内しか意味の分からない隠語だが、最近では企業自ら業界用語をウェブサイトで説明している例もある。

   文化放送のサイトの「ラジオ業界用語」によると、「アナ尻」とは「CMや時報の前までにトークを締めるデッド時間」、「ステブレ」とはステーション・ブレイクの略で「放送の一休み」のこと。「雨傘番組」とは「野球中継において雨天中止となった場合に放送する番組」など興味深い。

   撮影業者のサイトには、「ちょっとこのバッテラ、ウルサイからワラっといて」とは、「このバッテリーライトはもう使わないから邪魔だし片づけておいて」の意味だと解説されている。「わらう」とは「片付ける」のこと。ワハハと笑って叱られた新人もいるに違いない。

   東京管工機材商業協同組合は、新人が仕事に慣れるための「辞書にない業界用語集」をつくった。 器具類を傷付けずに締め付けたり緩めたりするスパナの1種である「イギリス」、洗浄管バンドは「デンデン」、両端にねじ山がないガス管は「坊主管」――。確かに先輩から「おい、イギリス持ってきて」と指示されてちんぷんかんぷんでは仕事にならない。

   業界は違えど、無意識のうちにこうした用語がスラスラ出てくるようになれば、立派な「ギョーカイ人」に成長した証拠か。

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