2020年 9月 22日 (火)

「安心して仕事を任せられる方」と答えてくれる 米国で根強い人気の「職歴詐称サービス」

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「あなたの職業をでっち上げよう(Fake Your Job)」

   こんな社名を堂々と掲げる会社が米国にある。実はこれ、勤務先や職務経歴、年収などを詐称するのを手伝うサービスである。米国の企業では採用選考において、求職者の過去の勤務先の上司に電話をかけて、求職者の仕事ぶりや能力を確認する(リファレンスを取る)のが一般的だ。

   その結果が採否に大きく影響するため、前勤務先で問題を起こしていたり上司との折り合いが悪かったりした場合、あるいはしばらく失業していた場合には、有利なリファレンスを取れる先がなく求職者は困ってしまう。

1件6000円で口裏を合わせてくれる

「ええ、彼は確かにここで働いていましたよ」
「ええ、彼は確かにここで働いていましたよ」

   そんなときにこのサービスを利用すると、1件6000円くらいの手数料で専門の担当者が「前勤務先」の受付や上司になりすまし、求職先からの照会にうまく口裏を合わせてくれるのだ。たとえば、こんな具合に。

「はい、○○社の××です。ええ、△△さんは確かにここで働いていました。経理の仕事は迅速かつ正確で、安心して仕事を任せられる方でしたよ」

   そんなことをして詐欺罪で捕まらないのか?と心配をする人を安心させようと、上記会社のウェブサイトには次のようなFAQがある。

「Q:御社のしていることは合法なのですか?
A:手短に言えば、合法です。この手の行為を非倫理的だと思う人もいるでしょうが、地方、州、連邦政府をだますのでないかぎりは合法です」

   また、次のような言い回しでサービスを正当化しているところもある。

「当社は公共の利益を重んじるため、犯罪行為に加担するようなサービスは提供しません。また、以下のような場合にはリファレンスは提供しません。
融資を受けるため/教育機関に就職するため/医療サービスに就職するため/公的機関に就職するため 等々」

   「公共の利益を重んじる」には苦笑してしまうが、リーマンショック以降、職探しに苦しむ人たちの根強いニーズがあるらしい。いざというときに自分たちに手が回らないよう、「いかなる場合も当社は一切責任を負いません」という免責事項も忘れない。あなたのリスクでご利用くださいということだ。

   さらに驚くのは、同じような不正サービス会社が日本にも乱立しているという実態だ。以前のコラムでも取り上げた「アリバイ屋」である。

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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