2024年 4月 24日 (水)

始業前に出勤して朝食、新聞… これで「残業代」をもらっていいの?

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   伊藤忠商事が10月(2013年)から深夜残業を禁止し、始業前の「早出残業」の方を推奨する取り組みを始め、注目を集めている。

   遅刻なんてもってのほか、朝早くから出社して業務に備える――大変結構な姿勢にも見えるが、オフィスでやっていることが「新聞を読む」で、それで残業代が出る、となると印象は変わってくる。

「朝早い方が電車に座れます」と笑顔

   ――メーカーの本社人事です。当社ではタイムカードにより就業時間管理をしています。製造部門は工場の稼働に合わせた出退勤ですが、管理部門では就業時間よりかなり早く出社している者もいます。

   それ自体は仕事熱心でよいと思うのですが、出社するとタイムカードを打刻するので始業が早くなり、通常の終業時間に退社すると残業手当の算定対象となることがあります。

   先日、私がイベントの準備で早く出社した際に、いつも早朝出社しているというA君と出会いました。彼はサンドウィッチにコーヒーを口にしながら新聞を読んでいたので、「いつもこのくらいに出社しているの?」と聞いたところ、

「はい。朝早い方が電車に座れますし、オフィスで新聞もゆっくり読めます」

と屈託のない笑顔が帰ってきました。私は内心「これで残業手当をもらえるのかよ」と、複雑な気持ちになりました。

   もちろん、早朝から仕事をすることもあるでしょうし、朝の生産性も高いとは思います。ただ、このような働き方では会社として残業代をムダに支払うことになるし、発覚すれば他の社員から不公平という声も出かねません。

   同じように出社してから仕事以外のことをする人もいるようですが、朝食と新聞を済ませてから、タイムカードを打刻するよう指導した方がよいのでしょうか――

「早朝出社して新聞読む」で残業代、は問題あり?
問題あり
問題なし
微妙
残業代なんて出ないし…
その他
尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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