2024年 4月 27日 (土)

MBAに中韓学生が殺到、日本人は激減 「彼ら」がそこまでハングリーな理由

かつて日本人はクラスで固まって座っていたが、今は違う

   アジア人の私たちの学年に占める比率は20%以上。インド、中国、韓国でのMBA受験の倍率は年々高くなっています。では、なぜアジア人がMBAに殺到しているのでしょうか?

   まず、自国では1000万円を超える給与がもらえる仕事はほとんどないという現状が挙げられます。まさにアメリカンドリームを追い求めて留学しているのですが、アジア人留学生がアメリカで就職するのは大変です。英語の壁があるし、金融危機以降、米企業はアメリカ人の雇用を守ろうとしています。これを乗り越えて就職を勝ち取り高給を手にした同級生を見るとたくましさを感じます。

   こうしたハングリー精神に負けて日本人は減少していくのでしょうか?私はそうは思いません。血の滲む努力をして入学し学んできた直近のMBA生が底力を見せることでMBAは再び脚光を浴びるでしょう。

   日本人が少ないからこその学びもあります。ある教授の言葉が印象的です。「10年前、日本人は一大勢力で、クラスで固まって座り、授業で質問されると周りの日本人に相談してから答えていた。今は違う。クラスでバラバラに座って自信を持って自分の意見を述べている。今固まって座っているのは中国、韓国からの学生たちだ」。

   私は、必修のクラス80人強の中でただ一人の日本人でした。誰も仲間がいない環境は最初は苦労しましたが、その分、日本で仕事を続けていたら得られなかったサバイバル力を得られたと思っています。(室健)

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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