2020年 7月 12日 (日)

「銀行マンの出向受け入れ」めぐる悲喜劇 「次」に活かせる成功体験とは何か

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   ある日新聞を読んでいて、経営者にまつわる対照的な二つの話題が同じ日の紙面に掲載されているのを見つけ、大変興味深く思いました。

   ひとつは、名門外食産業K社の社長交代を報じたもの。記事によれば、ITを絡めた新進のビジネスモデルで財を成した社長が名門外食産業に資本参入し筆頭株主になって、自ら経営者として再建を目指した。しかし、あれこれ新たな戦略を立てて現場への指示を出したものの思うように機能せず、残念ながら再建をあきらめ株を手放すことになった、とありました。記事中にあった「職人気質の現場責任者からそっぽを向かれるなど、当初の思惑とは違う展開に苦慮した」という記載が、非常に気になりました。

自分のフィールドの延長で戦えた

過去の成功体験は振り返らない
過去の成功体験は振り返らない

   もうひとつの話題は、自社主力マーケットへの新規参入が相次ぎ、ジリ貧気味の老舗小売チェーンM社の社長インタビュー。氏は半年ほど前に大手商社マンから転じての再建経営者として乗り込み、今までとは全く違う管理体制を引き、とりあえずジリ貧傾向をストップさせ、V字回復に向けた布石が着実に打たれつつあるとの話でした。聞き手の感想として、「モノ売りのプロである商社マンが、モノ売りの現場を実地に調査して策をあれこれ練るやり方が功を奏しつつある」とされていました。

   私はこの二つの話を読み比べて、各人が持つ専門領域や育った畑といったバックボーンと今置かれた立場との合致や相違というものは、新天地においていかに重要であるのかということが、学び取れるのではないかと思いました。

   外食K社社長のIT絡みのビジネスモデル妙味での成功体験は、言ってみれば机上の論理がストレートに役立つ世界ならではのもの。味やサービス等ビジネスモデルでは如何ともしがたい極めてアナログな世界とも言える外食産業では通用し得なかった、と言えそうです。ちなみにK社の後任社長は、業界に精通した外食産業出身者になりました。

   一方の小売M社社長は、商社で物売りの現場を長年渡り歩いています。商社と小売業では確かに規模は違うものの、人と人のコミュニケーションを通じて物を売るという基盤には共通するものがあり、言ってみれば自分のフィールドの延長で戦えたことが好結果を生んでいると思えるのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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