「好業績でもリストラ」の時代、「手を挙げる勇気」が自分を救う

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   景気が回復してきたはずなのに、会社が人員を削減するニュースは新聞の経済欄に毎日のように登場しています。例えば、2013年中間決算で最高益を更新した日本たばこ産業(JT)。国内たばこ部門で1600人規模のリストラに踏み切ります。好業績下でリストラに取り組むのは日本企業ではレアな話…のようにも思えます。

   ただ今では、こうした、成長のために伴う痛みを覚悟する経営が当たり前になってきたのです。最近取材した創業100年以上になる伝統的な企業でも

「将来を見越して継続的に従業員の新陳代謝を」

まずは手を挙げよう!
まずは手を挙げよう!
「会社は業績が劇的に悪いからリストラするのではなく、将来を見越して継続的に従業員の新陳代謝を行う時代になりました」

とのこと。さらに続けると

「短期的に収益が出ても、勝ち続けるためには一層の筋肉質への転換が必要だから」

   筋肉質とは余計な脂肪を取り除く必要があると言いたいのでしょう。そこで

・子会社への出向
・想定外の地方転勤
・経験のない職種への異動

など会社は厳しい人事異動を仕掛けてくるかもしれません。そんな辛い毎日に遭遇はしたくないもの。どうしたらいいか?それは会社側に「稼げる社員」だと思わせること。

   当方がリクルートで働いていた頃に学んだ言葉で、「仕事の報酬は仕事」というものがあります。当時は与えられた売り上げ目標を何とかクリアしたら、次にさらに高い目標をもつのが当たり前でした。初めは何とかなりますが、徐々に与えられた目標の壁に苦しみ始めます。「こんなつらいことが続くのには耐えられない」と愚痴を言い出すと、上司が必ず口にしていました。

   そこで、この仕事を任せたいと思われる機会を得たら、躊躇しないで手をあげる癖を備えておきましょう。ところが、これが意外と簡単ではありません。周囲に対する気配り、特に目上の人を飛び越えたチャンスであったりすると

「自分より適任がいるのではないか、例えば、先輩のGさんとか」

と腰が引けたりしがち。もちろん、出過ぎた態度が嫌われる職場もありますが、最終的には仕事を任せてもらえるように戦略的、かつ、素早く動く(=手をあげる)べき。例として頭に浮かんだのは、

「控え目さこそ美徳である」

と断言してくれた、専門商社に勤務するPさん。体育会系で上下関係を大事にするタイプ。先輩を差し置いて出しゃばることになるのはまずいと考えて、自分に任せたいと上司に言われても先輩の目を気にして辞退することが頻繁。先日も、社内で若手社員を中心にした採用プロジェクトが立ち上がったときに

「Pさんには参加して欲しい」

と人事部から声がかかったにも関わらず辞退しました。その理由は2つ先輩のBさんがそのプロジェクトに参加したいと発言しているのを知っていたから。でも、そんな控え目なスタンスに対して人事部は「もったいない。勘違いしている」と認識していました。

自分で自分のポジションを確保しなければいけない時代

   お互いがプロとしてフラット(対等)に勝負すればいいはず。先輩を立てるのはプライベートに委ねたらどうでしょうか?プロスポーツの世界だって年代に関係なくレギュラー争いをします。サッカーでアラフィフのカズ(三浦選手)が20代前半の選手から「先輩なので先発どうぞ」と譲られることはありません。職場の仕事でも同じ。

◆大事な取引先の担当を誰に任せるか?
◆若手の人材育成の責任者を誰にするか?

   そんな「おいしい」チャンスを前に黙って座っていたら、どうなるか。自分がやりたいと思う仕事は、ほかの誰かに回っていってしまうだけです。

   自分で自分のポジションを確保し、いい仕事ややりたい仕事を勝ち取っていかなければいけない時代です。それを実現するために不可欠なのが、手をあげる勇気だということを忘れないでください。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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