2014年、この知識で「残業代」が増える トンデモ経営者にダマされるな

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   2013年が終わろうとしています。本連載にも様々な人事トラブルが寄せられ、働く人の不満や組織を運営していくことの難しさが垣間見えます。

   今年の相談を振り返って一番印象深いのは、「定時で帰ったら『みなし残業代分くらい働けよ!』と叱られました」(7月5日配信)という記事です。

   みなさんはどの様に感じたでしょうか?

職場を「仕事で自己を活かす場」と考えねばならない時代に

   「みなし残業代」は、労働時間管理の負担を軽減するために事前に定めた残業時間分の手当てを支払うものです。設定した時間を超えた場合は追加の残業代支払いの義務が生じる一方で、その時間に満たない場合は残業を命ずることも可能です。しかし現実には「みなし残業代」の制度下では、どれだけ残業しても追加の残業代は発生しないと理解している労働者や経営者が多いものです。「みなし残業制だから残業代は払わない」という説明がなされている会社も有りますが、これは違法です。労働者も経営者も、そして人事担当者も「みなし残業代」制度と「裁量労働」制度の違いを認識すべきでしょう。

   時間と成果が比例する仕事であれば、時間で労働を測ることが出来ます。しかし現代では、知識労働が増え、単に時間で労働の成果を測ることが難しくなってきました。にもかかわらず、管理する側の意識が変わっていません。

   つい先日、内閣府から「『残業している社員はがんばっている人だ』という意識が管理職にあるところでは長時間残業になりがちである」という調査結果が発表されました。このような意識では、長時間残業の体質を改善することは出来ないでしょう。経営者、管理職の意識から変える必要があります。また、時間ではなく成果で考えるという意味で、働く側もまた会社に対する貢献度を常に意識しなければなりません。職場を「自分の時間を会社に売る場」と考えるのではなく、貢献や自己実現など「仕事で自己を活かす場」として考えなければならない時代なったと改めて感じる年の瀬です。(尾崎健一)

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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