2024年 4月 26日 (金)

「10年後に残っている仕事」なんて誰にもわからない では今、何をするべきか

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社内限定スキルばかり身につけてしまっていないか


   もう一つ筆者が気付いたことがある。それは「10年後に残っている仕事」なんて誰にもわからないということだ。今から7、8年前あたりには、ヤマダ電機やビックカメラといった巨大家電量販店グループがもてはやされた時期があった。スケールメリットを活かしメーカーより強い立場で価格決定の主導権を握る彼らを「モノづくりから流通の時代に」と特集した経済誌があったことも記憶している。


   だが、十年経たずにこれである。当時「量販店で現物をチェックしてスマホでオーダーすればその日のうちに自宅に届く」という未来を予想出来た人なんて、誰もいなかったはずだ。恐らく、十年後にはびっくりするような新サービスが出現して、今は安定している仕事のいくつかは消失しているに違いない。


   であれば、エネルギーは「残りそうな仕事を探すこと」ではなく、「仕事が消えても柔軟に対応できるキャリアを身につけること」に振り分けた方がいい。筆者から見れば"残りそうな仕事"に身を置いて安心している人というのは、スポーツ新聞の競馬予想の本命馬を一点買いして喜んでいる人みたいなものだ。


   というと「忙しくて資格取ったり留学したりする暇が無い」という人も多いだろうが、日常業務の中でも出来ることはいくらでもある。今の自分がタコツボの中で仕事をしていないか、社内限定スキルばかり身につけてしまっていないか、社外の人脈はどれくらい持っているか。そうした点に日ごろから気をつけておくだけでも、キャリアの柔軟性は飛躍的に高まるものだ。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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