「初対面客から1時間で契約書に印を」 目的意識あれば、やってやれないことはない

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   煮え切らない彼氏の本音を聞き出したいとき、「私のことどう思っているの?」と曖昧な言い回しだとはぐらかされがち。そこで一刀両断、「年内に結婚しよう」と迫ると相手の本心がみえてきます。これは仕事でも同じ。

クロージングをかける

今日中に印を押してもらう
今日中に印を押してもらう

   営業的な言葉で言うならクロージングをかけること。これをしないと、仕事の障害=ボトルネックがみえてきません。こちらが「ぜひ、やりましょう」と言ってクロージングをかけると、お客様は

「いや、時期が悪い」とか、「予算がない」

など、できない理由をあれこれ言います。そうしたら、そのボトルネックを持ち帰り、次回の企画・提案書に反映させればいいのです。お客様に提案を持って行き、クロージングを一旦かけて、承諾を得る。もしくは、ボトルネックを持ち帰ること。そのように、訪問する前に目的意識を明確に持って、商談に臨むことが重要です。

   私はリクルートでの営業時代、1日のうちに、営業のプロセスをアプローチからクロージングまでグルッと一回りした経験があります。その日は月末で、私が所属していた部署の今月の売上目標がどうしても達成できそうにないから、「今日中にお客様に契約してもらってこい!」と上司に命令されました。目的意識は非常に明確です。今日中に契約書に印を押してもらうことです。もう必死になりました。

   そのお客様とは初対面でした。電話をしてアプローチをかけ、夕方の午後6時に訪問しました。その会社を出るのが午後7時とすると、リクルートは7時半に契約書を届けないと、締め切られてしまいます。何としても6時から7時の1時間の間に、お客様と仲良くなって信頼関係を作り、お客様の状況をヒアリングして、企画・提案をして、クロージングをかけて、契約書に印をもらわないといけません。それを私は1時間の間に全部回しました。目的意識を持てば、やってやれないことはないのです。

常にゴールを見据えながら

   一方で、こんなうっかりミスもありました。その日は初回訪問ながら、お客様は俄然、やる気になってきました。

   そこで、その場で提案書を作り、カバンを開けたら、中に契約書が入っていません。焦る私を社長がやる気満々で見ています。

   私は社長に、「すみません、紙をもらっていいですか」と言い、コピー用紙に社名、金額などを書いて、「社長、ここに拇印を押していただけますか? 後で正式な契約書と差し替えますから」と言って押してもらいました。それを横で見ていた社長の息子さんは、「この営業マンはヤクザなんじゃないか」と思ったそうです。今となっては笑い話ですが、準備不足によるミスでした。

   要するに、営業のプロセスを把握して、前に進めることが大事なのはもちろん、進みすぎた場合にも備えておくことが大事なのです。

   営業の仕事は、営業のプロセスを前に前に進めていくことによって商談が成立するので、すごろくのようなものです。そして、すごろくと同じように、途中で前に進まず、1回休みがあったりします。場合によっては、1回戻ることもあります。契約寸前までいっていたのに、担当者が変わった場合などです。後任の担当者は、自分のことを全く知りませんから、もう1度、ふりだしに戻って始めなければいけません。

   いずれにしろ、大事なことは営業のプロセスにおいて、常にゴールを見据えながら、自分が今、どの段階にいるかを把握することが大切です。そうすると、自分がやるべき行動が見えてきます。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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