2020年 2月 20日 (木)

「STAP細胞」理研にみる「問題起きると責任転嫁」 広報リリース承認体制の重要性とは

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速やかに回覧されず、メール返信も滞る

   筆者が実際に経験した例を述べる。この上場会社では、広報がまとめたニュースリリースを役員に回覧して承認印をもらうのと並行して、各役員にメールでニュースリリースを送り、メールで承認の返信をしてもらうという体制をとっていた。ところが、回覧すべきニュースリリースは速やかに回覧されず、メールで送ったニュースリリースについても返信されないケースが非常に多くなっていた。適時開示の場合や、記者クラブに資料配布日時を伝えた場合は、内部承認がなされなくても発表しなければならない。

   この会社では、広報は社長直轄となっていたので、せめて社長の承認をもらうようにしていたが、社長が多忙なときは承認が間に合わない時もあった。役員の承認なしで広報が発表したことになれば、あとで問題となるため、事後に役員の承認印をもらって内部統制の体裁を整えていた。

   また、筆者が良く知る上場会社の広報責任者は昨年、広報を追われ、降格の憂き目に遭った。理由は「株価を上げられなかったから」だそうだ。これは全くおかしい。株価は経営の結果であり、株価が下がったのは株式市場が経営力を認めなかったからである。広報は、社会から正しく理解していただくための窓口に過ぎない。自らの経営力を棚に上げ、広報に責任を転嫁する社長がいることに驚いた。

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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