私が東京からフィリピンに引っ越すときに、多くの家財道具をリサイクルショップに引き取って貰いました。無料で。それなりに質のいいモノは日本国内のリサイクルショップで売るのですが、汚れが目立ったり、部品が一部欠品したりしているものは無料でも引き取って貰えません。しかし、「実は、質の悪い物も引き取ってくれる業者があるんですよ」と持ちかけられ、紹介された業者に「これどうするんですか?と聞いてみたら、意外な答えが返ってきました。プノンペン郊外の日本人経営リサイクルショップへカンボジア、ヤバイ!「フィリピンへ持っていくんですよ」私、これからフィリピンに引っ越すんですけど…。日本の厳しい消費者に受け入れられない製品はフィリピンを始めとするアジアの途上国に送って、現地のリサイクルショップで売るそうです。というわけで、私はカンボジアの首都、プノンペン郊外の日本人経営リサイクルショップにいってきました。ここには、日本のB級リサイクル製品があふれています。アサヒビールやキリンビールのノベリティのグラス、ひな人形のばら売り、森進一の写真が入った時計など、確かに日本ではあまり売れないような物が山積みです。また、店の半分は洋服売り場で、大量の日本の古着が吊されています。この店の管理をしている方に「どんな人が買ってるんですか?」と聞いてみました。「このあたりに住んでいる、金持ちのカンボジア人。特に政府関係の人達が多いですね」魅力的に映る「異国の地から送られてきたもの」プノンペン市内から15分くらい離れたこの場所には、あばら屋などの家がならんでいるのですが、一部にものすごく綺麗な一戸建てが建ち並ぶ土地があります。そこの分譲住宅は一戸2000万?5000万円するような高級住宅。ここに、政府高官がたくさん住んでいるそうです。その住宅地を歩いて見ると、レクサスやレンジローバーといった高級(かつ頑丈)な車が停まっています。そして、いかにも裕福そうな家族が楽しそうに庭でバーベキューを楽しんでいます。「1日平均170人くらい来店があって、1200ドル以上売り上がるですよ。多いときは2000ドル超えますね」プノンペン市内を歩いているとわかるのですが、物の選択肢が非常に少ないです。生活に必要なものは手に入るのですが、人と違うもの、持っていると嬉しくなるものを手に入れるのは困難です。そこで、このような、異国の地から送られてきたものは、新しいものが欲しい現地の金持ちにとってとても魅力的なのです。『白い恋人』の空き缶も売れる!?「ちなみに、ちょっと壊れたホンモノのヴィトンのバッグなんかは、全然売れないんですよ」どうやら、彼らにとってヴィトンのバックは、市場で売っている偽物のイメージが強く、高級でも何でもない模様。「そして、これはチャレンジなんですけど、『白い恋人』の空き缶を売ってみることにしたんですよ。3ドルで。たぶん売れるんじゃないかと思うんですけどね」市場によって求められるものは違う。上手くマッチングすれば多くの人を幸せにする。まるで海外就職と一緒だなと思った、カンボジアのリサイクルショップでした。サムライカレープロジェクトのWebページで、このリサイクルショップの模様を、たくさんの写真入りで紹介しています。カンボジアビジネスにご興味のある方、ぜひご覧ください。(森山たつを)
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