2024年 4月 27日 (土)

理研、なぜ「研究不正」に矮小化するのか あの「大々的発表」の広報責任はないとでも?

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特定法人指定との関係は?

   そこで提案がある。研究不正再発防止とは別に、対外的な発表責任を踏まえた「原因究明、対策、再発防止策」の3点セットを明らかにするというものである。企業が今回の理化学研究所と同様の発表をしたとしたら、企業のガバナンス(統治)責任が厳しく問われ、「なぜ、そのような発表になってしまったか」の検証がなされなければ世論が収まらないだろう。理化学研究所の対外発表には、国の威信がかかっているのだから、企業以上のガバナンスが求められる。ぜひとも、3点セットは対外的な発表責任、研究不正再発防止の2本立てとしていただきたい。

   安倍内閣は現在、国の研究開発を予算面で優遇する「特定国立研究開発法人」(仮称)指定の判断を進めている。理化学研究所の指定が予定されていたが、今回の事案を受け先送りになっている。このため、今回の小保方氏へのねつ造判断は、幕引きを急いだとの見方も一部でなされている。研究不正再発防止に限定すれば、理化学研究所そのもののガバナンスと切り離せるという判断もあったのではないか。

   理化学研究所は我が国の顔ともいえる研究機関である。その発表への信認が揺らげば、日本そのものがバカにされる。研究不正再発防止に矮小化せず、研究所のガバナンスそのものを見つめ直し、明らかにしてくれることを願う。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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