2019年 9月 17日 (火)

オバマが来た!見た!聞いた! 大学での「大ウケ」スピーチに学ぶ3つのコツ

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   (2014年)4月2日、Ann Arborに「オバマの春一番」が吹き荒れました。3月31日にアナウンスされて4月1日の早朝からチケット配布。1日の午前1時から、自宅から徒歩2分の建物の前で野宿しながら夜を明かし、35歳の体に鞭打って1000枚限定のチケットをゲット(それでも717番目!)、4月2日の演説を聴きに行ったのでした。

   2年前に来たときには3000人規模の会場だったそうですが、今回は何と体育館。ノージャケットで、Yシャツの袖をめくり上げて「汗をかいて熱く語る」スタイルは、今回のトピックでありオバマ大統領の目玉政策のひとつでもある「(州によって異なるが)時給7~8ドル台の最低賃金を10.10ドルにアップする」という内容に完璧にマッチしていました。

「つかみ」から熱狂の渦!

オバマ大統領が街にやって来た!
オバマ大統領が街にやって来た!

   何ともつかみがうまかった。オバマ大統領お気に入りのZingerman'sというサンドイッチ屋がAnn Arborにあるのですが、「今日私はZingerman'sに行ってきた。サンドイッチが美味しいのはもちろんだが、それ以上に、Zingerman'sが従業員を大切にしていることを知っているからだ!」と最低賃金上昇という話題への最高のブリッジとなるエピソードを披露。Zingerman'sは従業員教育で有名でLeadershipに関する本を何冊か出していて、この話でまず大歓声。さらに、先日8強で敗退してしまったとはいえ強豪復活を強く印象づけたバスケ選手たちを会場に招いて称賛。ここでまた大歓声。

   で、本題の最低賃金向上。「10.10ドル、つまりTen Tenだ、覚えやすいだろ?」と言っていましたが(笑)、日本だったら「いきなり上げ過ぎ!」「財源どうするの?」「また増税?」と批判を浴びそうなところ。実際に米小売業界は「最低賃金が上がったら雇用を縮小する」と反対している様子。

   しかし彼は屈しない。「Opportunity for All」をキーメッセージにして「最低賃金が上がればもっとたくさんの人が教育を受けられるようになる、大学にだって通えるようになる」と強く訴えかけてまた学生たちは大盛り上がり。

   日本から来た部外者として見ると「いやいや学生たちよ、最低賃金上げたら君たちの親や将来の君たちは増税になるのよ」「最低賃金上げるくらいじゃバカ高い大学の授業料払えないんじゃ」と思ったりするわけですが、710万人登録を達成したオバマケアに続いて、自分の正しいと思う政策を、批判や粗探しを承知で体を張って主張し実行できるリーダーシップがあるからこそ人気があるのだと実感することができました。

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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