2019年 9月 18日 (水)

「サービス残業」糾弾で日本企業崩壊? 問題は生産性の向上だ

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   最近、「労基法を厳格適用せよ」「労基法を守らない企業はすべてブラック」という極端な意見がちらほら出てきている。

   サービス残業は悪という方向で、残業叩きが流行っているが、もうすこし別の視点からこの問題を考えてみたい。

生産性と労働時間の関係

   日本のホワイトカラーはそもそも生産性が悪いということを前提としないとこの議論はできない。

   日本生産性本部の、労働生産性の国際比較2010年版によれば、OECD諸国とくらべた日本の生産性は次のとおりである。(図1)

図1 日本生産性本部資料より
図1  日本生産性本部資料より

   比較対象として米国を100として考えると、日本の生産性はおよそ70%である。

   業種でばらつきがあるものの、もっとも良い金融仲介で 87.8%、卸小売 42.4%、製造業で 70.6% (これが日本のほぼ平均)、電気ガス 61.0% 、ビジネスサービス50.8%、運輸 48.4%。

   いわゆるワタミなどの外食、飲食、宿泊産業は、なんと37.8%である。

   しかし、日本人は、米国と比べて同じような賃金水準を保っているのではないか。なぜそれが可能なのか。

   理由は簡単だ。

生産 = 生産性 ×労働投入時間

とすれば、調整できる変数は一つしか無い。そう、労働投入量(労働時間)である。

   たとえば、米国の70%の生産性で、同じ生活水準を得たければ、1÷0.7 = 1.42倍はたらかないと辻褄があわない。

   一日の労働時間 8時間に、1.42をかけると

8 ×1.42 = 11.36

   つまり、11.5時間の労働投入があれば、7割の生産性でも、100のアウトプットがえられる。

   これを労働時間にしてみると、9時~17時ではなく、9時~20時半まで働けということだ。この9時~20時半というのは、およそのホワイトカラーサラリーマンの労働時間の実感値にまさにピッタリ来る。実にピッタリだ。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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