「稼ぎまくってアーリーリタイヤ」が、「全然羨ましくない」理由

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「グローバル人材なんて、無理して目指さないほうがいい」

   現在、日本企業や在日本の外資系企業の「グローバル人事戦略」案件を数多く手がける人事コンサルタント、神山雄介氏(仮名)はそう語る。

「グローバル企業の幹部候補は、グローバル企業の中でも上位3~4%。しかも、その選抜は、30歳の段階であらたか決まっている。従って、30過ぎの人が国内MBAなどに行って『にわかグローバル人材』になっても、『いまさら感』があります」

身も心もボロボロになるほど頑張る

疲れた。もうボロボロ…
疲れた。もうボロボロ…

   加えて、日本人社員をグローバル化させるより、日本好き外国人を完全日本化させたほうが手っ取り早いと考える会社も現れた。

   だいたい、日本の会社の給料体系では、一般的に、幹部候補になろうが「40・50代でせいぜい年収300万円~500万円程度しか年収に差が出ない」(神山氏)

「500万円の差で、身も心もボロボロになるほど頑張ることは、果たしてさほどの意味があるのでしょうか」(同)

   神山氏によると、欧米のグローバル企業では、40代、50代の若さで一生分を稼ぎ切り「アーリーリタイヤ(早期引退)」する人がかなり多いそうだが、「羨ましいですか? 私は内実を知っているだけに、全然羨ましくありません」と断言する。なぜか。

「グローバル企業の幹部は、時差の関係で一日中メールの返信に追われ、深夜に海外と電話会議するような毎日で、40歳過ぎて大病を患った人が多い。
   彼らは、対面を保つために『アーリーリタイヤメントしたよ』なんてうそぶいていますが、本当は働きたくとも働けなくなった人が多いのです」

   なるほど、凄まじい「内実」だ。一方、日本企業の場合はどうか。

「(アーリーリタイヤ組は)それでも彼らは、一般社員とはけた違いの報酬を貰っていただけに、一生食うに困らないだけマシ。かたや、日本の会社では、グローバルに活躍する幹部になって死ぬほど働かされても、40歳代で早期引退出来る程には、稼げない。日本企業のグローバル人材になることは、採算が合わない話だと思うんです」(同)

   「グローバル人材になることは、割の合わない仕事」とは、これいかに?(以下次号、佐藤留美)

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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