日産ゴーン氏は「もらい過ぎ」なのか 欧米グローバル企業と比べると…

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   グローバル人材の頂点に立つ「グローバル企業の幹部候補」は、欧米企業のそれと日本企業のそれでは、給料、待遇に大きすぎる差があると先日お伝えした

   どのような差なのか?

   先週に引き続き、日本企業や外資系企業の「グローバル人事戦略」案件を数多く手がける人事コンサルタント神山雄介氏(仮名)に、話を聞いた。

欧米企業役員は、日本の「5倍から、下手をすると10倍近く」もらう

接待費だって半端じゃない
接待費だって半端じゃない
「日産のカルロス・ゴーン氏は、年収10億円近くを稼ぎ、日本国内では『貰い過ぎ』と批判されますが、アメリカのCEOの年収のトップ100にも及びません。
   だいたい、日本の会社の役員層が受け取る役員報酬はbase salary、いわゆる固定給が6割以上を占め、役員といえど『サラリーマン』。一方、欧米のグローバル企業の役員報酬はcompensation(コンペンセーション)といって基本給、賞与といった現金支給だけでなく、株式や年金などを総報酬から成り立ち、固定給の割合は10~20%程度しかないんです」

   では、残りの報酬は何で支払われるのか?というと、「performance bonus(業績連動賞与)が20~30%、残りの半分以上は株式報酬などの長期インセンティブ、住居費、接待・交通費 (entertainment & travel allowance)など」だと言う。

「その接待・交通費だって半端じゃないですよ。それだけで、9000万円近く貰っている、なんて人もいるんですから」

   そして、「日本企業の役員と欧米のグローバル企業の役員の『固定給』部分は大差ない、むしろ欧米のほうが高い」というから驚く。

   つまり、欧米企業の「グローバル人材『松』」の給料と日本企業のそれとのは、その差が「5倍から、下手をすると10倍近くに達する」と言うのだ。

「『よくやるなぁ』と感じずにはいられない」

「だから僕は、日本のグローバル企業で役員層を目指す人は、ある意味『よくやるなぁ』と感じずにはいられないんです。その役割や働かされ方は変わらないのに、報酬がちっともグローバルじゃないんですからね」

   役員報酬を英語ではexecutive compensationという。compensateとは元々、「埋め合わせをすること」を指す。

   つまり、役員が負う重責と膨大な仕事量を「埋め合わせる」ために会社は高い給料や株式を支払うというのが、グローバルなエグゼクティブへの考え方だ。

   そして、日本の企業の場合、重責を担う人への「埋め合わせ」が少なすぎる――だからこそ、わりにあわない仕事だと、神山氏は言っているのだ。(佐藤留美)

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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