厚生労働省が発表した5月(2014年)の全国の有効求人倍率は18か月連続で改善。1992年6月以来21年11か月ぶりの高さで、バブル崩壊後の最高水準にまで至っています。こうなると、景気の緩やかな回復を背景に製造業などを中心に採用意欲が高まり、人手不足が深刻な問題視されつつあります。また、日銀の試算によると景気循環に左右されない構造的な失業率は3%台半ばなので、5月の完全失業率3.5%(総務省)は、希望者全員が職を得られる「完全雇用」に達している可能性があるようです。会社に改善要求する若手社員改善するのは当然でしょ?と強気に…当方のようにバブル期に仕事をしていた人間は、完全雇用に達した状態で何か起こるか?経験済みです。四半世紀ほど、時計を戻してみましょう。まさに1980年代。当時は織田裕二氏主演の映画「就職戦線異状なし」(1991年公開)という、就職活動が売り手市場のピークを迎えて『幾らでも働く場所はある。だから、職場でも強気に振舞える』との「勘違い」が描かれた映画も登場。「強気」とは、会社のいいなりにならない態度を明らかにする状態のこと。具体的には、・職場環境や待遇面の改善を求める・出来ないのであれば別の職場を探すといった行動が当てはまります。これまでの不況期には不満があっても耐え忍んできた分だけ、今後は反動が出るかもしれません。事実、取材していくと、会社に改善要求する若手社員が増えているようです。それで改善がされないと「リクナビ、マイナビに登録してスカウトを待とう」なのでしょう。景気回復もいいことばかりではないのですね?さて、そんな強気に振舞う可能性がある面倒な若手社員に対して、どのように接すればいいのか?出来れば、仕事力をみせつけて強気を封印させ、さらに言えば『自分にはとても出来ない。改善要求するなんておこがましい』と思わせて、強気な自分の勘違いに気づかせたいもの。重要なことは「曖昧ワードの排除」そのために効果的なのは的確な統率力。いわゆる、リーダーシップ。例えば、仕事を指示、確認、承認、シェア(役割分担)を的確にすること。そのために重要なことは曖昧ワードの排除。例えば、・出来ればお願いしたい・可能な範囲で協力して欲しい・適宜すすめてもらって構わないとニュアンスをくみ取らないといけない言葉は、若手社員にとって判断不能な用語でしかありません。ちなみにニュアンスとは?言外に表された話し手の意図のこと。出来ればお願いしたい…もパターン1:なんとかやって欲しいパターン2:無理でなければやって欲しいと意図も幾つか考えられます。そんな、相手についての詮索をすることは、若手社員には難しい芸当。曖昧さを排除した的確な言葉で指導することを心掛けましょう。(高城幸司)
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