「教授、友達の作り方を教えてください!!」 教授「……難問だね」

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   講義終了後、学生が研究室に質問にくることがある。基本的に私はいつでも質問を受け付けることにしている。

   分からない事をほうっておいたらどんどん「分からない」が蓄積していくのでよろしくない。バンバン質問に来ていただきたい。私の教え方が悪かった面もあるだろうから、質問に来た本人に説明するだけでなく、次回の講義の際に受講者全員にあらためて補足説明するようにしている。

学食で、一つ置きに座って黙々と食事

どこに座ろうかな…
どこに座ろうかな…

   まだ春うららかな頃、入学したばかりのリケダンが研究室を訪ねてきた。「先生、教えて頂きたい事があります」、おっ、来たぞ、来たぞ、この学生はいつも一番前の席で熱心に話を聞いてたな。なかなか勉強熱心だ。

「で、何処が分からなかったのかな?」
「いえ、授業の内容じゃなくて……、先生、友達の作り方を教えてください!!」

   ……難問である。まさか、他の学生に「A君も一緒に遊んであげなさい」と促すとか、「ねぇ、ねぇ、A君、みんなと一緒に遊ぼうよ!!先生も一緒に仲間に加わるからさっ」というわけにもいかないしなぁ……。まだ、分数計算のできない学生にシュレディンガー方程式を教える方が簡単かもしれない。

   新入生として大学でスムーズに学生生活を始めるには人間関係の構築、まあ、ひらたくいうと、「さっさと友達作って、学生生活を楽しもうぜぇ~」が大事である。実際に今の大学はこの点のサポートにも力を入れている。入学早々「研修会という名の『一泊旅行』に行って、一宿数飯を共にして友達作りを促す」とか、「研修会という名の『日帰りバス旅行』に行って、班別行動で話をせざる得ない状況を作る」とか。

   だって、なにもしなかったら、講義初日には一つ置きに座って授業を受け、昼休みに各自別々に食堂に行って、一つ置きに座って黙々と食事するんだもの。電車で席が埋まる順じゃないんだからさぁ~、そこまでシャイなリケダンじゃなくても良いのに。どうりであちこちの大学で『ぼっち席』が流行るわけだ。

リケジョは、比較的すぐに友達を作れるようだ

   数が少ない事もあるのかもしれないが、リケジョは比較的すぐに友達を作れるようである。まあ、幾つかのグループに分かれけど。めがねっ娘…じゃなくて「勉強頑張ってるよグループ」、ケバい…じゃなくて「ファッション頑張ってるよグループ」、その他の「普通っぽいグループ」などなど。

   それにしても、最近の新入生は化粧が上手いなぁ~。私が学生の頃の新入生には「おてもやん」みたいな化粧の子がいたが……。「おてもやん」が分からない人は、世界を周っているときのイモトを思い浮かべてね(眉毛より、ほっぺに注目)。

   なかには、男女を問わずに一匹オオカミ的な学生もいるが、本人が「よし」としていれば基本的には問題ない。早急に対処が必要なのは、冒頭の「友達が欲しー。けど、できなーい」という学生である。教員個人としてもよーく話を聞いて、対処法を考えるなど色々と努力するが、必要とあれば大学全体として対処している。大学には、学生生活一般の相談・支援してくれる専門の部署もあるし、カウンセラーなども常駐している。

   まあ、人間関係を含めた生活一般を充実させてこそ、勉学に身が入るというものである。(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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