もし上司がアギーレ監督みたいに「短気」だったら

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   サッカー日本代表監督に就任したメキシコ人のハビエル・アギーレ氏。母国代表をW杯ベスト16に二度までも導いた名将。初戦はウルグアイ代表とのキリン・チャレンジカップ。残念ながらには0-2で敗れ、黒星スタートとなりました。敗戦となりましたが、まだこれから。新たなチーム編成で個性を出すには時間がかかるかもしれません。

   ちなみにアギーレ氏に関して指導実績ではなく、懸念されている点が1つあります。それは気性の激しく短気なところ。試合中にエキサイトするのは日常茶飯事。タッチライン際でプレーする相手選手を蹴飛ばし退場処分になったほど。ただ、仕事の出来る人ほど短気と言われます。みなさんの職場では如何ですか?例えば、すぐ答えを求めたがる先輩・上司。

「結局は、どうしたいの」「何が言いたいの」

とプロセスが長いと焦れてしまう。ときには普段の歩き方やご飯の食べかたまでどこかせかせかしてみえる。確かに周囲から「出来る」と思われることは気持ちのいいことかもしれません。ただ、そんなスタンスが周囲からは面倒な存在になることもあるので注意していただきたいものです。

「じっと我慢して」見守るのも重要

サッカーもビジネスも、指導の面で短気では...
サッカーもビジネスも、指導の面で短気では...

   典型的なのが後輩・部下の教育。これは時間をかけたほうがいいに決まっています。何故なら「答えを探るプロセス」こそ大切だからです。そもそも、学んでほしいことを理解させるには時間がかかり、頭で理解できても、実際に行動できるか試行錯誤が必要。成長を、そのスピードに合わせて「じっと我慢して」見守るのも重要。答えはできるだけ自分で考えさせたほうが成長できるものです。そして、本当に行き詰まったり、お手上げになったりしたときに初めて手を差し伸べる、これが大事。

「我慢を心がけて人材育成に取り組んでいます」

と話してくれたのは、テキパキとした仕事ぶりの出来るリーダーDさん。自分のせっかちさを極力抑えて見守る努力を心がけている様子。

   例えば、後輩社員が大きなミスを犯してしまったときの対応について「対策を考えなさい」と指示。自分自身で答えを探らせて経験を積ませようとしているのでしょう。ところが、後輩はその意に反してこう聞いてきた、

「結局、どうしたらいいのですか?」

   Dさんは、堪えきれなくなり「答え」を教えてしまった。あと僅かの我慢で効果を発揮するのに「惜しい」話ではありませんか?後輩・部下も違った意味でせっかちです。先輩・上司が苦労して身に付けたプロセスを飛ばして回答を求めてきているのです。一方で先輩・上司は自分で努力した結果として、正しい答えを探せる能力が身についている。やはり、自分で考えるプロセスを経験させないと、あとで苦労することになるのは明らか。

「考えるプロセス」を経て答えを出させる努力を

   よって「すぐに教えて」的なメンバーに直面したときは、これまで以上に我慢して「考えるプロセス」を経て答えを出させる努力をしてください(もちろん、かけられる時間には程度がありますが)。答えがすぐに出なくても急かさず時間をかける。沈黙を恐れずに答えを待つ。と同時に、ほんの少し考えて答えにつながるナビゲートをする。つまりは「助け舟」。

「私なら~のようにするけど、君ならどうする?」

とアドバイスするのです。そして最終的に、「私なりに考えたのですが...」と言ってメンバーが答えを出して来たら(見当違いだったとしても)それを否定せずに、「そうか、よく考えたな」とほめる言葉を添えて、ふたりで解答探しに入ってください。それが後輩・部下の成長を支援することになります。アギーレ監督も短気な性格しれませんが、指導者としては我慢できる人物との話を聞きます。これからの行く末に注目していきましょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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