「大学のホームルーム」は過保護か 「ちゃんと講義に出てますか?」を確認

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   さて、問題です。「小学校、中学校、高校につきものと言えば?」 チッ、チッ、チッ、ピンポーン、そう、そのとおり、美人の保健室の先生...ではなくホームルームである。朝の会とか、帰りの会とか称していることもあったりするが、その日のお知らせをしたり、歌を唱ったり、場合によっては「給食費盗難事件」を捜査したりもする「あれ」である。

   私が小学生の時も「犯人は誰だぁーっ!!!」って先生が激怒しちゃって、「食べかす付プリン容器教壇置き去り事件」の捜査本部を立ち上げたっけ。最終的に犯人にされた女子が泣きだしちゃって、「私はAさんが犯人じゃないことはよーく分かってる」なんて先生が言い出して。子供ながら「おいおい」って。まあ、複雑な大人の事情が理解できる年じゃなかったしな。

週に1回とか2回とかの頻度で

朝の会、始めま~す
朝の会、始めま~す

   最近は、あちこちの大学で、1年生に対してこの「ホームルームっぽいもの」を導入しているようである。給食費の盗難が多発しているためではなく、「ちゃんと学校に来て講義に出ているか?」や「受講態度などに問題はないか?」を確認するためである。さすがに、毎日、朝夕とホームルームがあるわけではなく、週に1回とか2回とかの頻度でクラスや学科の1年生全員が集まる時間が設けられている。そして、その場には一週間の出席状況とかミニテストの成績などが集められている。

   「Bさん、昨日の『基礎物理』休んだらしいけど、どうしたの?」、「昨日ですか~、寝坊しちゃってぇ~、いつのまにか目覚ましが止まってたんですぅ~」「...まあ、でも、ちゃんと講義に出ておかないと、後で苦労するよ」「はぁ~い、次から気をつけま~す」

   「Cさん、この前の『数学基礎A』のテストどうだった?」「え~、私、数学苦手なんです~」「まあ、誰でも苦手なものはあるけれど、最低必要な知識だから頑張らないと」「は~い」ってな具合ね。

一人暮らしに慣れずに大学に来なくなったり...

   過保護と言われれば、そうかもしれないが、一人暮らしに慣れずに大学に来なくなったり、内容が高度すぎてついて来られなくなったりする場合があるので、早急に対応する必要がある。これも、今どきの学生にキッチリと大学教育を受けさせるための工夫である。

   ところで、私が大学生の頃は学生の出席状況や成績を気遣うどころか、「本当に教える気あるの?」って先生が一杯だったな。「教科書を読めば書いてあるから、講義になんて出る必要は無い」と断言したり、学生の態度に激怒して講義を放り出して自分の部屋に帰ってしまったりする教授なんて普通だった。まあ、怒らせた時は皆で丁寧に謝りに行ったけど。本気で悪いと思ったかどうかは別として「単位」が必要だったし、大人の事情が理解できる年だったしね。(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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