2020年 8月 13日 (木)

「男の職場」で女性社長が大活躍している理由

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   地元名士のご紹介でお目にかかった運輸倉庫業を手掛けるG社のY会長。創業来約40年、一代で中堅企業規模にまで成長させきました。同席された現社長は50代後半の女性のTさん。私はてっきり会長の妹さんか娘さんか身内の方とばかり思っていたのですが、聞けば元々パートでG社に入社した一介の社員とのことでした。

   運輸倉庫業と言えば男の職場のイメージが強く、一時期はキツイ、汚ない、危険の3K代表格とも言われていました。さらに最近では外国人の現場労働者も増え、何かと管理が難しい業種でもあります。何ゆえに女性の社長を指名したのか、なにより私の興味は一点に集中しました。ひととおりの挨拶を済ますと、いきなり本題をぶつけてみました。

「気がつく」「気が回る」「穏やか」という「人柄」に注目

当社のトップは女性です
当社のトップは女性です
「男の職場的な印象が強い御社で、Tさんを社長に指名した理由は何ですか」

   対するY会長の答えは、「人柄だよ」の一言のみ。

   本当は「なぜ女性だったのですか」と言う観点での回答が欲しかったのですが、そう尋ねてはT社長に女性蔑視とも受け取られかねないので、どう返したらいいものか困りました。すると、すかさずT社長が助け船を出してくれました。

「会長、大関さんはなんで女性の私が社長なのかって聞いてらっしゃるのよ。そこをちゃんと答えて差し上げないと。本当にダメねえ、会長はそういう気が回らないのだから」

   なんとT社長、私の心中をすっかりお見通し。恐れ入りました。

「ああ、そういうことね。いや私がね、ガサツなものだから人の管理が下手くそで。昔からいつもいつも社員とケンカばかりで辞めて行く連中が絶えなかった。荒っぽい業界だから気性の荒い連中が多いのだけど、僕も人柄が相当悪いから(笑)。そんなわけで、社内で一番人柄の良い彼女に社長をお願したってことです」

   どうやらY会長の言う「人柄」とは、「気がつく」「気が回る」「穏やか」という事を指しているようで、初対面の私に対してまで自然に現れた彼女の気遣いこそ、その真骨頂なのでしょう。まさしく今世間で「職場における女性の活躍推進」のポイントとしてよく言われる「女性ならではの気配りやあたりの柔らかさ」を、自社の新たなリーダーに求める重要な資質と位置づけて抜擢したのだといきなり納得した次第です。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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