2024年 4月 23日 (火)

「就活の勝ち組」の鼻をへし折る 実は「誰でも参加できる」インターンの正体

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   実況:「アップダウンを当てよう」のお時間です。前週は「誰も参加できないインターンシップ」で大荒れでしたが今週はどうでしょうか。解説はアスベスト礼二さんです。


   解説:よろしくお願いします。前週は乱闘騒ぎになりましたが今週はどうなるかも見所ですね。

多様な学生を参加させ、内容もユニーク

誰でもOK?
誰でもOK?

   実況:そうならないことを願います。ルールは出題者チームの出す問題に対して、回答者チームは低い方から順番に数字を出していきます。ただし、今週は特別ルール、高い方から順に数字を出していきます。最後まで当てられないと出題者チームの得点になります。


   今週は超巨大食品株式会社人事部のみなさんが出題者チーム。同社のインターンシップ参加学生が回答者チームです。


   解説:超巨大食品株式会社は食品メーカーの大手。文系・理系問わず学生から人気です。同社のインターンシップは多様な学生を参加させていること、内容がユニークであることで有名です。それと参加希望の学生は2000字程度のレポート提出が必須、これで選考しているところがポイントです。


   実況:学生のみなさん、今のお気持ちは?


   学生:いやー、僕ら、このインターンに参加できた、就活勝ち組なので大丈夫ですよ。


   実況:一方の採用者チーム、お気持ちは?


   採用担当:頑張ります!

偏差値、どこまで低くてもOK?

   実況:今週のお題は「インターンシップに参加できる学生の所属大学の偏差値」。解説のアスベストさん、前週と同じですね?


   解説:はい、お題は前週と同じですが、ゲームは逆。超巨大食品のインターンシップに参加した学生の所属大学、この偏差値がどこまで低いか、最低ラインを学生チームは回答します。インターンシップの実施は10月ですが、学生は参加通知を受け取ったばかりです。自分の大学と前年度の採用実績などからどこまで偏差値が低いか、推量していくしかありません。


   実況:なるほど、このゲームは学生側がやや不利かもしれません。それではさっそくゲームに移りましょう。学生チーム、第1回答者の回答をお願いします。


   学生:はい、大阪南方大学国際観光学部、偏差値は47です。確か、前年の採用実績で1人いたし。


   解説:おっと、いきなり低いところを攻めてきました。航空関係に力を入れている大学で近年はかなり評価されているところです。もちろん、航空業界以外でも。


   実況:ということですが、出題者チーム、答えをお願いします。


   採用担当:ダウト!

正解は「本当の本当に無関係」

   実況:第1回答者、早くも散りました。残念。では、次の第2回答者...あっーと、やはり不正解。続く第3回答者もダメ~!最後の第4回答者になってしまいました。これで不正解なら学生チーム、敗北が決定します。


   学生:北海道根夢路過去大学、偏差値は測定不能、もしくはFランク。


   解説:北海道東側の街にある大学です。あまり耳にしませんが、よくまあ、こんなマニアックな大学、見つけましたね。


   実況:では出題者チーム、どうぞ。


   採用担当:ダウト!


   実況:この瞬間、学生チームの敗北が決定~!それでは、採用担当者チーム、正解はなんだったのでしょうか?


   採用担当:正解は「本当の本当に無関係」、です。


   実況:えー、それはどういうことでしょうか?


   採用担当:大学は掛け値なしにどこでもいいんです。


   実況:いやー、それは建前じゃないですか。それに選考もやっているわけだし。


   解説:その選考が曲者ですね。


   実況:どういうことですか、アスベストさん。


   解説:実は2016年採用、つまり2014年時点での3年生対象のインターンシップ、数が増えすぎて大企業であっても定員割れのインターンシップが続出しているんです。だから大学名も何も実は無関係なんですね。


   採用担当:2015年採用あたりから競合が厳しくて学生集めも大変なんですよ。


   実況:いや、ちょっと待ってください。だったら無理に選考をしなくても先着順でいいんじゃないでしょうか。


   解説:理由は2つ。まず、よっぽどひどい学生を落とすエクスキューズ、言い訳にできるという点です。


   採用担当:うちだと小論文ですが、適当に書いただけ、とか、論理・構成がひどくてほかの学生と一緒にしたらむしろかわいそうだし、うちも手間、という学生は定員割れでも落としています。

学生にお得感を出すため

   実況:なるほど、質を保つためには定員割れでも選考が必要だ、と。もう1つは何ですか?


   採用担当:言っては何ですが、まあ学生にお得感を出すためですね。自分は選ばれた存在、みたいな。


   解説:この選考実施によってお得感を出す方法、就職情報会社の父さんナビ、母さんナビはじめ大体のところはクライアントとなる採用担当者に指導しています。で、実際に効果があるのでよっぽど集まりの悪い中小企業以外はどこも真似するようになっています。


   実況:なるほど~。しかし、学生チームは確か「就活勝ち組だ」みたいに勝ち誇っていましたよね。


   解説:うーん、まあ、就活学生にありがちな誤解というか、空回りですね。


   採用担当:そうそう。実際は全く関係ないんですよ。だからツイッターなどで「就活勝ち組」とか見るたびにチャンチャラおかしくて。


   解説:ま、冷静な学生だといいんですが、自慢して回る学生だと中盤以降に気持ちが折れて、立て直すのに時間がかかる、という話はよく聞きます。


   実況:ということなんですが、学生チームのみなさん、感想を。あれ?なんか顔が赤いですけど大丈夫でしょうか?


   学生:ふざけんじゃねーぞ。学生の気持ちをどうしてくれる!


   実況:学生チーム、暴れだしました。恥ずかしさ余って、乱闘です。先週に続いて警備員と乱闘中です。解説はアスベスト礼二さんでした。


   解説:怖いなあ、インターンシップ。――


   「誰も参加できない」のか、「誰でも参加できる」のか。前週内容と合わせ、見極めが大切ですね...。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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