2021年 8月 4日 (水)

形だけのタイムカード打刻、その後も仕事  「本当の残業代」を手にする方法はありますか?

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弁護士解説  「実際の労働時間を証明する証拠が、非常に重要」

   会社ぐるみで残業の証拠を隠ぺいしているので悪質性が高いですね。

   毎日2、3時間の残業もチリも積もれば山となる......こらこら、人様の時間を甘くみるなという感じです。

   今回のケース、会社の指示で実際の労働時間と異なるタイムカードが作成されていることもあり、実際の出退勤時刻を証明する証拠がない限り、タイムカードを超える残業代の請求は難しいと思います。お話を聞く限りではかなりの残業をされていますので、実際の残業時間について残業代を全て請求することはできますが、残業代が請求できることと、実際に会社が払ってくれるか、裁判で残業代請求が認められるかは全く別物なのです。

   特に裁判で残業代請求が認められるためには、実際の労働時間を証明する証拠をどれだけ持っているかが非常に重要になってきます。

   実際の労働時間の証拠として何が考えられるか......まず、労働時間を証明する証拠として1番有力なものは、始業時刻と終業時刻が打刻されているタイムカードです。

   タイムカードの労働時間は、裁判所に認めてもらいやすいのです。また、タイムカードがない会社であっても、上司の承認印のあるタイムシートや毎日提出している日報なども証拠となります。

   ただし、問題となるのは、会社からの指示でタイムカードを少ない時間で打刻させられているような場合、かなりの残業時間があるにもかかわらずタイムシートや日報の記載が全て定時になっているような場合です。

   お気づきかと思いますが、このような場合のタイムカードなどは実際の労働時間を証明する証拠にはなりません。「何時から何時まで働いていたかという具体的な労働時間」を証明しない限り、「実際はタイムカードの打刻時間を超えて働いていたんだ!会社はブラックなことをやっている!」と、本人が裁判所に主張したとしても残業代請求は残念ながら認められないのです。具体的な労働時間を証明しない限り裁判では負けてしまうのです。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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