2020年 1月 27日 (月)

低収入でも子供を産み、育てられる「発想の転換」

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終戦直後の感覚を取り戻すべきだ

   心理学の理論に、アンカリング効果というのがあります。子育て一式3000万円。これがひとつの指標(アンカー)となってしまい、発想がここから抜けだせません。

   不況下においても、結婚式の相場は平均354.9万円、などと煽るメディア・雑誌がある限り、それがひとつのアンカリングポイントとなってしまいます。

   そして、若者は結婚なんて到底無理でしょ、と考えます。不当に釣り上げられたアンカリングポイントを基準にして、自分たちの現状とのギャップを考えてしまって絶望するのです。

   しかし終戦直後などは、日本人はもっと貧乏で、子供だって5人も6人もいました。それでも、子供は育てられます。というか育ちます。生き物ですから、食べ物さえあれば育ちます。

   現在でもある種のカップルは、すぐに結婚して子供をたくさんつくります。それは、彼らの頭の中にはこのようなアンカリングポイントが存在しないからです。

   年収350万円のひとが子供を持つには、発想の転換が必要です。塾や習い事もなし、大学はいかないか、ネットでタダのもので学ぶ。大企業に入ることは諦める。単に子供が育てばよい。それで満足する。それでも子供を持つことの喜びは計り知れないでしょう。

   私たちはもう一度、終戦直後の感覚を取り戻すべきです。若者は貧乏になったのですから、貧乏でも子供をうめるように発想を転換していくべきです。

   子育て費用3000万と脅して、定職に就けない親は欠陥品であるかのように非難するよりも、年収300万でも子供は育つ、大学にいかなくても子供は死なない、といったことを啓蒙するほうがはるかに有意義でしょう。

   国や経済が衰退するというのは、こういうアンカリングポイントを多くの人が不用意に受け入れるということです。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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