新聞は、ビジネス弱者のためのツールだ 「学生とか老後の人とか」向け

印刷

   わたしは新聞を購読していない。なにも朝日新聞の問題があったからではない。

   新卒で就職した時から新聞を読んでいない。学生時代は新聞を購読していたのだが、社会人になってほどなくして止(や)めてしまった。社会人になったら新聞を読むようになるというのが普通だと思うが、私の場合は逆なので珍しい。それ以来、かれこれ15年以上新聞を読んでいない。

読んでいない理由は「忙しいから」

新聞、読んでますか?
新聞、読んでますか?

   読んでいない理由は、おどろくほど簡単だ。忙しいからだ。

   新卒で戦略コンサルタントに就職したときは、一人暮らしをするようになって、日経新聞を取った。

   毎日ポストに新聞が入るが、読む暇がない。

   朝の10時から夜中は2時頃まで働く日々がつづいたからだ。コンサルタントは激務であった。

   新聞は1週間もするとポストから溢れかえって、大変な事になった。ポストからほじくり出して、そのままゴミ箱に直行。このとき、2-3日前のニュースを読んでも意味が無いということがわかった。そして、そんなニュースは知らなくても仕事に差し支えがない、ということもわかった。

   ゴールデンウィークをすぎたころ、さすがに「もういいや」と思って購読を解約して、それ以来、購読していない。

就活生への助言「いま新聞を読んで、就職したら止めなさい」

   思うに、新聞とは、仕事を通して、最新の情報に触れることができないビジネス弱者のためのツールだ(学生とか、老後の無職の人とか、留学中の人とか)。そういう人を最低限の情報レベルに引き上げることは出来る。しかし、新聞情報で差別化はできない。

   日々、リアルなビジネスの現場に関わっている人にとっては、別になくても困らないようなものである。むしろ、毎日丁寧に新聞を読むのは、無駄な時間になりかねない。

   新聞はビジネスの最新ツールではなく、ビジネスの最前線になんらかの理由で立つことができない人向けの、次善の策なのだ。

   それに、新聞の主張を鵜呑みしてしまうと危険だ。いずれの主張にも裏があり、事実よりも、社の方針を反映させているからだ。新聞の主張ばかり聞いていると、自分で事実を取りに行くという姿勢がそこなわれていってしまう。考える力がどんどん失われていく。

   せいぜい事実だけを抜き出したストレートニュースで十分。そして、それならネットの速報ニュースだけをみれば足りる。あとは自分の頭で考える。

   就職活動中の学生と話したことがある。

「就職がきまったら日経新聞を読んで、社会人に備えます」

というので、

「いま新聞を読んで、就職したら止めなさい」

と言っておいた。

   僕の経験からのアドバイスである。 (大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中