TVメディアが「食いつく」企業ネタ 「活字」媒体との違いを理解し、利用する
2014.11.04 17:06
0
「絵(映像)になる」ことが重要
ところが、その企業はそれから間もなく、東京都内のイベント会場で記者発表会を開き、東北にある施設のオープンをアピールした。問い合わせ先には、PR事務局としてPR会社の名前があったので、そのPR会社が主導したのだろう。結果は、テレビ東京のワールドビジネスサテライトが取り上げた。経費もかけたが、テレビ局が取り上げたことで、まずは成功と言えるだろう。
このケースは、活字メディアとテレビ局とのメディア特性の差が作用している。活字メディアは、社会性とヨソにない特徴を明確に説明しなければならない。ところが、テレビは「絵(映像)になる」ことが重要で、土地の広さも売りになるわけだ。言い換えれば、テレビは必ずしもニュースバリュー第一でなくてもいい。
中小企業広報は、このように難しい。しかし、一般的に言えば、中小企業が記者発表会を開くのは、記者が集まらない、記事にならないリスクが大きく、経費ばかりかかるので、よほどのニュースでない限りお勧めしない。メディアに掲載される企業を目指して経営を変革し、世の中に誇れる事業、製品、サービスを生み出していく。掲載してくれたメディアの記者と地道にお付き合いし、メディアにファンを広げていく。メディア掲載は、経営の手段ではなく、結果である。(管野吉信)