2020年 8月 10日 (月)

日本の「おもてなし」賛美の勘違い 「ガラパゴス」だし自由度がない

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「啓蒙を一生懸命行う」は負け戦だと思う

   日本のおもてなしは、自由度がない。

   たしかにそのおもてなしのフォーマットを知っていて、それに合わせて受け身になれば、丁寧なサービスを受けられるのかもしれないが、フォーマットを知らないひとや、フォーマット以外のことがしたいひとにとっては、とても窮屈に感じるだろう。

   たしかに、セットされたものの完成度は折り紙つきなのだろうが、フォーマットをしらなければ楽しめない。

   そういうと、こういう反論がくる。そのフォーマットを外国人に理解させろ、それが日本の文化であり、そこがわからなくては、日本式サービスはわからない。

   たしかに仰るとおりかもしれないし、そういう啓蒙を一生懸命行うという方向もあるかもしれないが、これは負け戦だと個人的には思う。

   わざわざ旅行先の文化やフォーマットを勉強して、それに合わせて旅行するほどのひとは殆どいない。我々だって、世界を旅行するのに、各国で細かいマナーが違うのを事前に勉強したりしない。共通なフォーマットの上に、それぞれのお国柄が見えるくらいで十分だ。

   同じように、多くの外国人にとって必要なのは、日本のしきたりの勉強をしなくても怒られないインターナショナルなフォーマットで、そのうえで日本文化も体験できるような施設だろう。

   一方、日本文化好きな日本マニアはすでにいるし、そういう人は日本語を勉強して、日本語しか使えない秘境の温泉につかって愉しめばいい。

   独自のハイコンテクストな文化を、優しく噛み砕いて説明してわかってもらおうという方向性は行き詰まる。これは、独自のOSの操作性を良くして勝負しようというようなものといっしょだ。いくら操作性が良くても、日本に来るためだけに独自OSの操作を学ぼうという人はいない。OSは揃えておかないといけない。OSからして独自だと、もはや独自性を出す前でおわってしまう。

   行うべきは、ローコンテクストのインターナショナルなホテルフォーマットのなかに、日本の文化を昇華させて楽しんでもらうようにすることだ。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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