2024年 4月 24日 (水)

マック異物混入騒動と悪質クレーマーのはざま 「得体の知れない不気味さ」を見抜く

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「刑事気質で撃退」をやめると急に・・・

   苦しみながらも投げ出さずにクレーマーと向き合い、トラブルを乗り越えてきたが、あっという間に20年近くが過ぎた。何度も窮した場面に出くわしたが「肝据えて」何とか乗り越え今日があるのは、亡き恩師の教えを信じ、心の支えがあったからである。

   そして、あるときから決着を急がず、相手のクレーマーを納得させようと焦ったり、刑事気質で撃退しようとしたりするのをやめて急に楽になった。

   現在の私は、相手がどのような立場に立ったお客様だとしても「土下座」をすることは絶対にない。深々と頭を下げてお詫びの気持ちを伝えるが、「土下座をしろ!」と言われれば「申し訳ありませんが、土下座はできません」とお断りする。

   また、クレーマーの自宅を訪問しても、長時間足のしびれを我慢する苦労はない。

   訪問先でのやり方は、こうだ。何らかの理由でクレームが発生し、お詫びのために訪問しているわけだから、当然のように最初は正座してお詫びの言葉を述べる。

   10分経過した。ころ合いを見て相手に切り出す。「大変申し訳ありませんが、足を崩させていただきます」「少し腰(膝)が悪いものですから。失礼します」とことわり自ら足を崩す。焦らず、我慢せず勇気を持って積極的に「お断り」する方法だ。

   ここで、謝罪から話し合いに方向転換するが、シッカリ礼を尽くしていれば、拒否され怒鳴られることはまずない。

   万が一、足を崩すことが許されず正座を強要されたら、話し合いを拒否されたわけであるから「今日は話し合いに応じていただけないようですから、出直します」と退去する。

援川 聡(えんかわ・さとる)
1956年生まれ。大阪府警OB。元刑事の経験を生かし、多くのトラブルや悪質クレームを解決してきたプロの「特命担当」。2002年、企業などのトラブル管理・解決を支援するエンゴシステムを設立、代表取締役に就任。著書に『理不尽な人に克つ方法』(小学館)、『現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。
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