2024年 4月 19日 (金)

その自己PR、ドン引きです 学生は得意気に話しているが・・・

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   電子書籍の『300円就活 準備編』がぼちぼちの石渡です。間もなく、『300円就活 面接編』(2015年3月14日予定)も刊行しますのでよろしくです。

   さて、今回のテーマは「自己PRのセーフ・アウトの境界線」です。学生からすれば、自己PRを何にするかは悩みどころ。特に自称・普通の学生はかなり苦しみます。そして出てきた自己PRが実はドン引きされる、ということも。

   どこからどこまでがセーフで、どこからがアウトか、まとめてみました。石渡の取材結果と主観から、インパクトとドン引き度を格付けしていますが、これはまあ、あくまでもご参考までに。

●サークルの副部長

面接で自己PR!
面接で自己PR!

インパクト・・・D、ドン引き度・・・C

   評価:非常に多くて、そもそもインパクトがない。「渉外」「会長補佐」などと言いかえればいいという問題でもなく。

   採用担当者に取材すると、

「そもそも、単なる学生サークルの肩書きをPRする、という発想が貧弱」

など、手厳しい意見が多数。そうは言っても、サークルの副部長、という学生も多いはずですが、

「だったら、いっそのこと、平の部員としてほしい。肩書きを使ってドヤ顔されても、何をアピールしたいのか理解できない」

   という意見も。サークルの話自体は敬遠されているわけではないのですが、副部長ネタは敬遠した方がよさそうです。そう言えば、この石渡も某鉄道研究会にいたとき、無役なのは面白くない、とフィナンシャルプランナーを自称していて、今、思い出すとかなり痛々しいような・・・。

●遠隔地進学・遠距離通学

インパクト・・・D、ドン引き度・・・C

   評価:地元志向の強い昨今、遠隔地の大学に進学することは結構、周囲から浮くことを意味します。本人にとっては大きな決断ですし、慣れない街での学生生活は苦労も多かった、と察することができます。

   が、面接担当者、特に40代以上だと、遠隔地への進学は珍しくもない当たり前のことであり、「それをアピールされてもなあ」で終わりです。

   遠距離通学も同様で、それをアピールされても、「だったら、大学の近くにアパート借りればよかったのに」と思われるだけです。

●大学受験

インパクト・・・C、ドン引き度・・・B

   評価:難関大でときどき発生。大学受験で苦労したことは分かりますが、企業側からすれば「学生生活ではアピールできる話がないのか」と勘違いされるだけです。


●高校の部活
インパクト・・・C、ドン引き度・・・B~D

   評価:採用担当者の評価は真っ二つに分かれました。「学生生活ではアピールできる話がないほど、つまらなかったのか」とのマイナス評価、「高校の部活ならそれはそれでいい」とプラス評価、それぞれあります。ただし、後者の場合でも、「高校の話を聞いてから大学の話も聞きたい」とのこと。


●中学以前の話
インパクト・・・B、ドン引き度・・・A

   評価:いくらなんでもさかのぼりすぎです。

●恋愛・結婚

インパクト・・・B、ドン引き度・・・C~D

   評価:企業側からは、質問することがタブー扱いになっている恋愛・結婚ネタ。ただし、学生からアピールする分には問題ありません。

   まあ、どこまでアピールできるかは難しいところですが、コミュニケーション能力の一環として話す分にはいいでしょう。

   そう言えば、学生結婚した男子学生が過去にいたのですが(しかもデキ婚)、「家族を養う!」との意気込みがすごく、あっさり内定を決めていました。

●就活塾
インパクト・・・C、ドン引き度・・・A

   評価:首都圏・関西圏の中堅以下の大学でたまに発生。この間、参加した某就活イベントでも1人いました。

   就活を頑張るのは、当たり前の話であり、それをわざわざアピールされてもなあ、でおしまいです。

   そんなことも教えない就活塾がいくら学生からボッているのか、興味深いところですが、他のネタにした方が無難です。

●オタク趣味
インパクト・・・B、ドン引き度・・・B~D

   評価:詳細は前々回記事(「就活で『勝てる』オタクと『勝てない』オタク」)をどうぞ。趣味そのものを説明してもあまり理解されないので、趣味に付随した行動力などを話せば、興味を持つ企業は多いでしょう。

●コネ

インパクト・・・B、ドン引き度・・・B~C

   評価:難関大でときどき発生。特にKOとかKOとかKOとか(注:慶応義塾大とは誰も言っていません)。「僕は××先生のゼミ出身で」「M田会の先輩とこの間、ご飯を食べました」――ああ、そう、良かったね、と、この大学出身の採用担当者もうんざりするネタ。

   社会人と接点を持つことは悪いことではありません。もうちょっと、抑え目に話せば、ドン引きされずに済むはずです。

●ギャンブル
インパクト・・・B、ドン引き度・・・A~D

   評価:ギャンブルの内容や志望企業によって大きく分かれるネタ。

「違法パチスロを堂々と話す学生がいてドン引きした」
「競馬など公営ギャンブルも学生はアウトなのでうち(金融)ではちょっと厳しい」
「麻雀など、取引相手で好む人もいるし、できるならそれに越したことはない」

   保守的な業界は厳しめ。それと、ギャンブルの内容も違法性の高いものはやめた方がいいでしょう。

●パチンコ店員
インパクト・・・D、ドン引き度・・・C~D

   評価:「別にいいんじゃないの」という意見多数。ただし、

「全員とは言わないが、就活に慣れていないせいか、パチンコ屋の業務内容を延々と話す学生が多い。グループ面接ではパチンコ屋でもそれ以外でも話の長さ自体がマイナス材料になる」

という意見も。

●キャバクラ・風俗

インパクト・・・A、ドン引き度・・・AAA

   評価:中堅以下の私大、特に女子学生で無邪気にアピールしてくるのですが、聞く方はかなりドン引きします。

   『SPA!』2015年2月24日号の「大学のバカ化が止まらない」特集では、就活編で洗体エステをアピールした学生の例を出しています。

「斜め上からの回答にポカーンとする我々に『ヌキはないから風俗じゃありません!』とプレイ内容を説明し始める始末。彼女は洗体エステのバイト経験が有利になると思っていたみたいで・・・」(美容メーカー人事)

   『SPA!』らしい記事ですが、困ったことにこういう学生、本当にときどき発生します。

   風俗ではないですが、キャバクラも多いですね。風俗は確実にアウト、キャバクラも就活では隠した方が無難です。

   採用担当者に取材すると、キャバクラでのアルバイト経験は、それ自体は気にならないそうです。

「ただし、それを面接などでわざわざ強調するのはどうか。『居酒屋や接客業の一環。それで色々学んだことがあるならいいじゃないか』と気にしない社員もいれば、『風俗と同じ』と嫌悪感を持つ社員もいる」

   つまり、キャバクラが風俗かどうかではなく、そうした嫌悪感を持つ社員や他の学生、取引先などに配慮できるかどうかが大事、ということです。居酒屋くらいに言い換えるか、他のネタにした方が無難でしょう。

   以上、ご参考までに。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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