2024年 4月 26日 (金)

オフィス・グリコならぬ「オフィス・コスメ」 化粧品やストッキングなどが専用ボックスに

オフィス発のトレンドを生み出す可能性

   もう1社、ユニークな存在なのがハチモ(東京都港区)だ。働く女性をサポートするオフィス設置型の無人販売店舗サービス「オフィス・コスメ」を2013年12月から展開し、東証1部上場企業を中心に都内70企業に導入している。今夏の400台設置を目標としている。化粧品や美容雑貨、ストッキングなどを専用ボックスに入れてオフィスに届ける。設置・導入は無料。商品の購入は付属の料金箱に代金を入れてもらい、スタッフが月1回、代金の回収と商品の補充を行う。多くのオフィスで見かける「オフィス・グリコ」の女性向け版で、ストッキングの破れ、急な生理、靴ずれなどの際に重宝されているという。

   このサービスは、女性向け商品を扱うメーカーがマーケティングに活用できるほか、オフィス発のトレンドを生み出す可能性を秘めている。すでにドイツの老舗オーガニックコスメブランドである「lavera(ラヴェーラ)」のリップクリーム、ハンドクリームが2015年2月から販売されている。同社の豊田直子代表取締役はオリックス、楽天を経て独立した。オフィスで働く女性がリーダー役となって「オフィス・コスメ」を活用できるようにするため、アンバサダーの仕組みを導入する計画を立てている。女性の社会的活用が叫ばれる中で、事業には追い風が吹いており、大手メディア掲載も近そうだ。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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