就活で自殺しないように、活動を始める前の心得

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   就職活動が始まった。この連載でも、就職活動について何回か取り上げようと思う。

   就職活動を始める前に、肝に銘じておいてほしいことを幾つか書こうと思う。

   就職活動のニュースで一番悲痛なのは、就活自殺だ。

   100社も200社もエントリーをして、ずっと就職活動をし続けたのに、一社も内定を得られない。自分が否定されたように感じて、行き詰まって、自殺を選んでしまう。就活シーズンの終盤に、毎年報じられる。

就活をめぐる勘違いと大学受験

人生、いろいろあるさ
人生、いろいろあるさ

   どうしてか、就活というと、(時々制度が変わるが)3年生後半から4年生前半にかけてのある時期に、一斉にみんながスタートするので、あたかも公平で、就活さえ上手くやれば、どんな学生にもチャンスがあるように勘違いをしてしまう。

   確かに、スタート時期は一緒だが、実際には、スタートした時点で勝負が付いているのだ。それまでの人生や学生生活で、社会人としての基礎を鍛えて、行動様式や思考法、基礎的なスキルや語学などにおいて、秀でているものが内定を取るのであって、就活の時期を上手にこなせたら内定が出るのではないのだ。

   大学受験と比較したらすぐ理解できるだろう。大学に合格できるかは高校卒業(や浪人期間)までの積み重ねであって、一斉に行われる入学試験は、そのテストに過ぎない。

   もともと学力のない学生が、入学試験をいくらたくさんうけてみて、頑張りをみせたところで、実力以上の大学に受かることは無い。

   就活も実は同じで、いくら就職活動を続けようが、100社受けようが200社受けようが、その時点で実力が伴ってなければ、どれだけ面接をこなしても、内定がゼロになるのは、必然の結果だ。

   大学受験だったら、当たり前すぎて同情すらされない結果であるし、本人だって自覚しているのだろうが、これが就活だと、本人も周りも勘違いする。

   学生「なぜ内定が出ないのか・・・」

   マスコミ「100社もうけて内定がでないなんて社会はおかしい」

   しかし、よくよく考えたら、そんなわけがないのである。

実力をつけて、戦い方を変える

   どうしてこうなるかというと、学生と、社会の側が暗黙の前提をこう置いているからである。

「大学を卒業したら、自動的に仕事に就くものだ。就けるものだ。就けなくてはいけない」

   誰もがそう思っているこの前提をもう一度考えなおしてみた方がいい。

   単に、大学を卒業しただけの、なんの取り柄もないノースキルの学生が、職を得られるというのは、世界的にみても、ありえないことである。

   ではどうすればいいのか。基本的には、実力不足を解消するしかない。大学受験と同じで浪人するのだ。ただし、就職浪人ではない。就職浪人は、実力が同じのまま次の年にもう1回同じ活動をするだけなので、これでは結果は同じだ。

   つまり、就職活動を行うのを1年延期し(休学なりして)、実力をあげるためのインターンや語学など、実績作りをした方がいい。私の連載でも触れているように、実力をつけて、戦い方を変えれば、ノースキルの文系学生にも未来は開けている。

   拙著『英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか』(PHP新書)では、就職活動をとりまく現状を分析し、決められたレールにのることがすべてで、そうでなければ人生おわり、という洗脳を解くために書いた。人生に選択肢は多い。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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