2018年 8月 18日 (土)

日本の就労意識「崩壊」の兆し 「もう辞めた新入社員」から考える

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   4月になり、新入社員のシーズンですね。ネット上では、入社早々に辞めるひとの記事が世間を賑わせているようです。

   わずか3日間でやめてしまったりとか、そもそも4月1日に出勤してこなかったりといった事例がネット掲示板で報告され、いろいろなコメントが付いているようです。

給与を昼休みに渡したら、そのままバックレ

バックレよ
バックレよ

   これに対しては、「ありえない」という評価がある一方、「ブラック企業に早々に見切りをつけて賢明」といった高評価もあるようです。

   目を転じて海外の事例をみていると、私は、このような1日や2日で辞めるという行為が、なんだか微笑ましくなってきます。

   例えば、時間通りにことがすすまないことで有名なフィリピンの話です。

   英会話の教師として雇用した、履歴書上は立派な経歴のあるような方のバックレかたがすごい。無断欠勤は当たり前、当日朝来なくて、電話をしたら逆ギレされたなどというのは当たり前のようです。

   さらに、聞いたなかで最悪の事例は給与バックレです。

   その日働いたぶんは、その日に給与を払うということにしていたようなのですが、給与を昼休みに渡したら、そのままバックレたそうです。昼食に出て行って、そのまま帰ってこなかった。この話を聞いた時には、さすがにびっくりしました。

   絶対に賃金は先渡ししてはいけない、ということのようです。

たくさん雇って、歩留まりを考える

   また、賃金を払うとさっさとやめてしまう人がいるので、毎月全部払わず、一部は2か月後とか、そういう形にしないと、どんどん辞めていってしまうそうです。

   なぜ彼らがそんなにすぐやめてしまうのかは謎ですが、他にすぐ仕事にありつけるからなのかそれとも、一時的なカネがはいればあとはカネがなくなるまで仕事しないのか、たぶんその両方なのでしょう。

   そういうことなので、本来10人雇えばいいところを2割増くらいの人を雇う。毎日無断欠勤が平均2割位あるので、そうしないとダメなのだということです。

   さて、先ほどの1日や3日で辞める新人には、どうもこのような人材の雰囲気を感じます。企業がブラックだからというより、なにか基本的な就労意識のレベルが崩れているような気がしてなりません。

   先のフィリピンの場合は、欠勤率を下げるも方法も多少あるそうです。それは食事をおごったり仲良くして家族みたいに扱ったりするとのこと。ただ、それでも欠勤は起こるそうです。日本ではノミニケーション否定の方向にいってますから、この方法は使えなそうです。

   結局たくさん雇って、歩留まりを考えるという雇用法は、合理的なのかもしれません。1日でやめた、3日でやめた、というのは経営者にとっては織り込み済み。実は、うまくマネジメントできているのかもしれませんね。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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