2021年 9月 23日 (木)

「保育士」残酷物語 児童の親も「辛くなる」給与水準

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潜在保育士、20代の不満は「賃金」がトップ

   筆者が以前、書いた記事、「68万人の潜在保育士『子どもが好きだからこそ働けない』?」(エコノミックニュース、2013年9月13日)では、保育士資格をもちながら、保育士として働いていない「潜在保育士」について取り上げました。記事では、厚労省の調査(2011年)を引用したのですが、潜在保育士に聞いた「就業への不安要素(職場環境)」のトップは、「勤務時間」(40.3%)、「人間関係」(28.2%)、「雇用条件」(27.3%)です。しかし、20代に限ってみると「賃金」(35%)がトップ、次いで「勤務時間」「人間関係」(それぞれ30%)と、順位が入れ替わります。

   子供の命を預かる責任感、サービス残業などの重労働、それに見合う賃金が貰えない現実。特に、若い女性の場合、「自分の可能性は他にもある」と考えるケースが多いことは、想像に難くありません。他の産業(事務職や、それこそ「キャバ嬢」など)に、人材が流れてしまうのです。

   ツイッターでは、お子さんが保育士をされている(と思われる)方から、「賃金の低さ、拘束時間の長さ、預ける親との関係。保育士を持つ親として転職を助言したいくらいです」という声もありました。一方、子供を通わせている方からは、「子供の先生たちが辞めていかざるを得ない状況は、自分の子の将来にとっても悲しいものです」という声も。

   内閣府の資料(「子ども・子育て支援新制度について」2015年3月)を見ると、「保育の受け皿を増やす」意気込みは伝わってくるものの、保育士の待遇改善については、ほとんど記述がありません(職員処遇の改善「プラス3%」などと軽く触れている程度です)。最近は多くの産業で、女性の待遇を改善し、積極的に採用する動きがあります。保育業界は、待遇をよほど良くしない限り、人材が集まらないままでしょう。

   「人件費を上げるとコストに跳ね返るのでは」というご意見もありましたが、保育士は「労働集約型」の仕事ですから、どうしたって人件費がかかります。それを単なる「コスト」と見なしていると、いつまでも保育士不足は解消されません。お給料を上げて、かつ、同一労働同一賃金で、柔軟な働き方ができるのなら、保育士は魅力的な仕事だと思うのですが、いかがでしょうか。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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