2024年 4月 20日 (土)

「本当は専業主婦になりたい」 「3人に1人」がそう感じている理由

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   若い女性の、専業主婦願望が高まっているといわれます。キャリア志向の女子大生でさえ、「結婚したら『一旦』家庭に入りたい」と考えているケースも、少なくないとか。

   ある調査によると、なんと、働く20~30代女性の4割以上が、「本当は専業主婦になりたい」と考えているそうです。

「バリバリとキャリアを積んでいきたい」派は43%

いいかも、専業主婦
いいかも、専業主婦

   ソニー生命保険株式会社(本社・東京)が、全国の20~69歳の女性1000人に対し、現在の生活や仕事に対して、どのように考えているか調査したところ、働く女性(499人)の33.4%、実に3人に1人が、「本当は専業主婦になりたい」と回答しました(方法はウェブアンケート、「女性の活躍に関する調査2015」、2015年3月26日公表)。

   一方で、仕事に関しては、「バリバリとキャリアを積んでいきたい」派が43.3%と、「そうは思わない」の合計(27.6%)を上回っています。「現在の生活に満足している」という働く女性も48.7%と、約半数で、「どちらともいえない」(21.8%)、「満足していない」(29.4%)を上回っています。全体としては「キャリアも積みたいし、今の生活には満足」という女性が多いようです。

   それなのに、「本当は専業主婦になりたい」と考える働く人が、3人に1人もいる。年代別でみると、専業主婦願望を持っている人の割合は、20代で41.8%、30代では43.3%と、どちらも4割を超え、他の年代より高くなっています。一体、なぜでしょうか。

   調査では、「管理職への打診があれば、受けてみたい」という働く女性は、20.4%にとどまっています。働く女性の4割以上がキャリア志向を持っているものの、管理職に就きたいと思っているのは、5人に1人なのですね。追い打ちを掛けるように、「女性が社会で働くには、不利な点が多い」という回答は76.8%に達し、働く女性たちが、会社員生活にあまり希望を持てていない様子も伺えます。

   個人的には、働く20~30代女性の4割以上が「専業主婦になりたい」というのも、さもありなんという気がします。なぜなら、キャリア志向の女性も、「専業主婦なんて絶対イヤ!」と考えているケースは、それほど多くないからです。

専業主婦も、「1回やってみたい」

   先日、2年間の育休に入ったばかりの友人、B子と話していたところ、「1回、専業主婦というものをやってみたかった」と言っていました。そんなB子は、「女性が働くのは当たり前」という考えの持ち主。「安定していそうだから」と、官公庁を主な取引先とする出版社で働いています。

   B子は言います。

「これまでは仕事ばかりだったけど、それなりに充実はしていた。でも、結婚してからは夫の分の食事の用意に、洗濯、20代後半になったら仕事も忙しくなったし、夫婦喧嘩は増えるし、ストレスの限界で・・・そんなときに、偶然子供ができて。やっぱり嬉しかったなぁ~。うちの職場って、育休は1~3年間まで選べるんだけど、皆3年くらい休む。だから、私も何となく2年くらい休もうかなって」(B子)

   会社と家の往復だけでは、ストレスもたまるし、将来への希望もそれほどない。だったら子供が小さいうちは、主婦になるのもアリでは・・・という感じでしょうか。B子のように、一生懸命働いてきたからこそ、「少しくらい、主婦業に専念してみたい」という思いが芽生えるケースは、珍しくありません。

   働く若い女性の4割が「本当は専業主婦になりたい」という調査結果、皆さんはどう受け止められるでしょうか。個人的には、「仕事生活への満足度」と、「専業主婦願望の高さ」の相関関係が知りたいな・・・なんて、思ったりもします。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
【Facebookページ】北条かや
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