2024年 4月 27日 (土)

なぜ「指示通り」に実行できないの? 海外で日本人の優秀さを実感する時

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いったん「2ボタン」デザインでオーダーし、その後・・・

   これは途上国だとよくあることで、なんでも自分が知っているものに勝手に変えてしまう。料理のレシピにしても、似たような自分が知ってるレシピに勝手に変えて作る。仕事の手順にしても、勝手に自分たちの知っている方法でやってしまう。マニュアル無視。それが、品質の改善の方向ならいいのですが、そうではなくて、アウトプットを変えてしまうので、使い物にならないものが出てくることもある。

   これを直すのにはどうすればいいのか、正直難しいです。

   私は、オーダーメイドの際には、別の方法を考えました。

「2ボタンのデザインで、ただし、ボタンホールはまだあけるな」

   2ボタンのジャケットとしてオーダーするのです。そうすると、ボタンが2つ出来てきます。そして、上のボタンだけを残して、あとから下のボタンを取ってもらうことにします。

   すると、見事に、ボタン位置の高い1ボタンのジャケットが出来上がります。2度手間ですが、こういう指示をしないと、ボタン位置の高い1ボタンが作れないのです。

   この点、日本の人はきわめて優秀です。マニュアルを、ちゃんとマニュアル通りにこなした上で、さらにマニュアルの欠点を指摘して、改善を提案してくれるのです。日本の製造業が世界一になれた理由が体感できました。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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