2021年 9月 17日 (金)

独立する部長が「開発チームごと」引き抜き こんなこと許されるのですか?

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事前に社内の体制整備を

   このような事態を抑えるため、損害賠償請求だけではなく、就業規則で在職中の競業や引き抜き行為を禁止して懲戒事由としたり、退職金の不支給や減額による対応をしたり、退職前に特約を結んで退職後に同業をしたりしないよう競業避止義務を課することができる場合もあります。会社ごとの事情によって制度をカスタマイズする必要がありますので、会社の損害拡大を防止し、有能な人材の不要な流出を防ぐためにも、事前に弁護士と相談して社内の体制を整えておくことをオススメします。

   

【補足】

   なお、就職時や退職時に「退社後○年間、競業他社に就職をしない」という競業避止義務の特約を結ぶことがありますが、労働者の自由意思に基づいていなかったり、合理的な範囲でなかったりした場合は、特約が無効となります。したがって、競業行為を行わない旨の誓約書、合意書等を作成する場合は細心の注意が必要です。

   

ポイントを2点にまとめると、

   1:従業員には退職の自由があり、憲法上も職業選択の自由が保障されているので、転職や新会社の設立は自由にできるのが原則。だが、在職中の従業員は、会社の指示に従って誠実に働く義務を負い、さらに在職中に会社業務と競合する業務を行ってはならないという競業避止義務を負うと考えられている。

   2:在職中から、使用者の利益を著しく損ねる悪質な行為は、競業避止義務違反として、懲戒処分の対象となったり、退職金の減額・没収事由とされたり、損害賠償請求をされることがある。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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