TVの「パワハラ特集」で反応真っ二つ 「怖すぎ」VS「こんなの普通」

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   職場の権力を利用した嫌がらせやいじめを指す「パワーハラスメント(パワハラ)」。近年、問題化するケースが増え、多くの企業が防止に努めているが、表沙汰にならないひどい実態もまだまだ存在しているようだ。

   そんな折、パワハラを取り上げたテレビ番組が放送された。衝撃の内容に恐怖を覚えた視聴者が多い一方で、「こんなの日常茶飯事だけど・・・」という声も聞こえてくる。

係長からの連日の叱責でうつ病に

誰も他人事じゃない「パワハラ」
誰も他人事じゃない「パワハラ」

   パワハラを特集したのは、日本テレビ系のドキュメント・バラエティ「ザ!世界仰天ニュース」(2015年5月27日放送)だ。

   「ある地方都市の、事務機器を扱う大手企業」の10年ほど前の事例として、30代の男性営業マンのパワハラ被害が紹介された。

   男性は内気で真面目な性格。飛び込み営業が苦手だったが、妻と幼い子供1人を持ち幸せに暮らしていた。

   ところが、彼が勤める営業所は長年売り上げが悪く、テコ入れのため本社からやり手の人物が係長として赴任してきた。結果を出せば昇進が約束されていた係長は、「半年以内に業績を上げる」ことを目標に。しかし、男性は苦手な新規の売り込みで成果を上げられず、連日厳しく注意される。

   係長の熱意とは裏腹に営業所の業績はいまいちで、係長にも本社からプレッシャーが。焦る係長は男性への叱責を強くし、さらに「お前さあ、まず身なりをちゃんとしろよ!」「お前、口くせーんだよ!周りの人に失礼だろ!ちゃんと歯磨けよ!」と、だんだん人格を否定するような言葉も投げかけるようになる。

   男性は転職を考えるも、妻も子もいる30代半ばという自分を思うと踏み切れず、新たな職場に身を投じる勇気もなかった。

   次第に追い込まれていった男性は、それまでにはなかった単純なミスをする集中力の低下に加え、家でも食欲の著しい低下、慢性的な不眠、寒くもないのに手足が震える、今まで興味があったものに急に関心がなくなる、口数もめっきり減る・・・という症状が出始める。うつ病を患ってしまっていたのだ。

30分以上の説教はパワハラの恐れ

   そんな中、取引先から大口の注文があったにもかかわらず、男性が大幅に遅刻したせいでキャンセルになるという大失態を犯してしまう。取引先に係長と共にお詫びに行った男性は、突然土下座。社内は異様な空気に包まれた。係長の叱責と罵倒は、その後も続いた。

   係長が赴任して1年も経たないある日、男性は、自宅近くで自ら命を絶った姿で発見された。遺書には家族への言葉や係長の発言の数々がつづられていたが、大半は自分を責める言葉だったという。

   遺族は労働基準監督署に遺族補償金を請求したが認められず、裁判に発展。男性がうつ病を患った原因は会社側にあり、そのうつ病で自殺に至ったと判断され、遺族補償金が支払われることとなった。

   被害者が自殺してしまうという結末をむかえたパワハラの事例に、視聴者は大いにショックを受けたようだ。ツイッターでは、

「世界仰天ニュース見ててマジで働きたくないと思ったわ パワハラ上司とか怖すぎ」
「世界仰天ニュースのパワハラ映像見てすっげえ暗い気分になったゾ・・・」

といった感想が書き込まれ、さらに

「他人事ではない思いで観ていました。うちの夫もパワハラではないけれど、似たような状況にあり、怖いと思いました」
「パワハラ受けた者としては結構抉られる実話でしたね。結局、話に取り上げられた男性は自ら命を断ってしまいましたが、自分にもこの道が迫っていたのかもしれないと思うとホントに決断して辞めてよかった」

など自身の経験と照らしあわせて暗い気持ちになってしまった人も多かったようだ。

   一方でこんな声も。

「正直上司ってみんなこんなやつしかいないよな」
「僕はもっとひどかったけどなぁ。朝から夜まで怒鳴られて怒られてた事もあるし 毎日の様に使えない、辞めちゃえ、って言われたし」
「会社のパワハラ講座とたいして変わらんのだが 日本の7割はあんなんじゃねーの?」

   番組内容の程度のパワハラは日常茶飯事では、というわけだ。

   番組では、パワハラ問題に詳しい笹山尚人弁護士が、「5~10分程度の説教はあまり問題視されない。30分以上になるとパワハラに該当する恐れがある」と話していた。(MM)

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