「ショートカット不使用」など論外 そのPC作業スピードでは遅すぎる

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   学生や、入社1、2年めのひとから、「生産性を高めるにはどうすればいいでしょうか?」という質問をたまに受けることがある。

「とりあえずツールの操作スピードをあげろよ」

と答えている。

数秒単位で操作できないと、ノロいやつというレッテルが張られる

そのスピードでは・・・
そのスピードでは・・・

   私は、1時間でパワーポイント30枚くらいの資料を作ってしまうことがある。生産性云々と言っている前に、ツール操作スピードが遅すぎて、横でみていてイライラする事がある。

   例えば、ファイルの上書き保存。

   ツールバーのメニューから、ファイルをクリックして、上書き保存をクリックする。これに2秒くらいを必要とする。同じことを、ショートカット(Ctrl-S)を使えば、0.1秒程度で行えるだろう。

   Ctrl-Sも知らない人がいるのか?とお思いだろうが、本当である。多くの人はショートカットキーを使っていない。

   投資銀行に入社した時のエピソードで、入社初日にマウスを取り上げられたというのがある。エクセルの操作をマウスなしに高速に行うことができないと、仕事が間に合わないからである。

   たとえば、大きなエクセルの表をつかって、会議をしながら、ほぼリアルタイムで数字を出したり加工したりするということもある。その場合、数秒単位で操作できないと、ノロいやつというレッテルが張られる。

   F1キーを物理的に取っ払ってしまう人もいる。まちがって、F1キーを押すと、くじらのようなヘルプがでてきてしまう上に、このくじらの動作が実に遅い。10秒くらいは無駄になってしまうことになる。

   下記は、よくあるMBAライクな図形だ。

この図の作成にかかった時間は?
この図の作成にかかった時間は?

   これを書くのにだいたいどのくらいでできるだろうか。プレゼンソフトを立ち上げて、時間を図ってほしい。

   1分以内に出来た人はおよそ合格。3分以上かかった人は猛省が必要だ。

   コンサルのひとは、こういう図を高速で書けるように、ツールバーをカスタマイズし、ショートカットを覚えるなど、地道な工夫を重ねている。

ツールの操作は、基礎体力に相当

   投資銀行やコンサルなど、極端な例をあげたのだが、ちゃんと本質的な話をして締めくくる。

   シビアな仕事をしているプロフェッショナルにとって、ツールの操作スピードは、そのひとの生産性に直結するということ。きわめて限られた時間のなかで仕事をしている人にとって、1番だいじなのは「考える時間」であり、「創造性を発揮する時間」。

   それらを十分に取るためには、エクセルやパワポといったツールの操作といった付加価値の低いものは、極限まで高速に行える必要がある。ツールの操作スピードが2倍になれば、考えることに使える時間も捻出できる。

   ツールの操作は軽視されがちだが、基礎体力に相当するものだとおもう。

   ツールの操作はだれでも訓練すればすぐに向上するものであるから、操作の習熟に投資するのはとても賢い投資だ。もし1日に3時間をパワポ作成に使っているなら、単純に3倍の早さにすることができれば、2時間もの時間を他のことに割り当てられるからだ。

   生産性を向上させ、考える時間を捻出するためには、逆説的だが、ツールの操作スピードを極限に上げることに取り組んでみてほしい。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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