「人並に働けば十分」が過去最高 今年の新入社員、「情けない」か「賢明」か

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   やる気がない若手社員が近頃多いと指摘する声や、その理由を「ゆとり教育」と関連付ける意見がネット上などで見受けられる。

   これに対し、「近頃の若者は・・・」論は昔から言われていて・・・との反論もあるのだが、このほど、「人並みに働けば十分」という新入社員が「過去最高になった」調査結果が明らかになった。

「サバサバした」傾向

人並みの働き方じゃダメですか?
人並みの働き方じゃダメですか?

   日本生産性本部と日本経済青年協議会は、2015年度の新入社員を対象にした「働くことの意識」調査結果を公表した(15年7月9日)。

   「人並み以上に働きたいか」という質問に対し、「人並みで十分」と回答した人は53.5%で、1969年の調査開始以来最高となった。

   「仕事中心か(私)生活中心か」という設問では、2010年に「仕事中心」が「(私)生活中心」を上回ってからその傾向が続いていたが、今年度は逆転し、「(私)生活中心」(9.5%)が「仕事中心」(9.3%)をわずかながら上回った。

   ほか、「就労意識」「生活価値観」「対人関係」の意識調査では、前年度と比較して「同僚が残業していても自分の仕事が終わったら帰る」が6.4ポイント増、「収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事をしたい」が5.1ポイント減、「すこし無理なくらいの目標をたてた方ががんばれる」が4.4ポイント減などで、「全体として職場や仕事へのコミットメントの低下傾向や淡白な印象が見られ、いわば『サバサバした』傾向が見受けられる」という結果になった(調査は15年3月11日から5月15日にかけて、「新社会人研修村」に参加した企業の新入社員2026人を対象に実施)。

「ほどほど」推奨の識者も

   調査結果に対し、ツイッターでは

「なんとなく大学入ってなんとなく就職した感じ。成り上がりたい、もっと社会・経済に貢献したいと何故思わないのか」
「ほどほど志向の人ほど3年ともたんわい」
「こういう人たちはどういう会社が拾っていくのだろう?」

と、「人並みでいい」新入社員に対する苦言がみられる。

   「人並み」「ほどほど」を狙う若手に反感を抱く人は少なくないようだが、働く人に「ほどほど」を推奨する専門家もいる。精神科医の香山リカ氏だ。

   ニュースサイト「NEWSポストセブン」に掲載されたインタビュー(2012年1月1日・3日)で、香山氏は「精神科医としてビジネスマンの診察をしていて、『もっと頑張らないといけない』『もっと成長しなくては』と成長幻想に取り憑かれて、鬱病を発症させる人がここ10年ぐらいの間に増えてきたと感じた」と語っている。

   地方では17時半には帰宅しているビジネスパーソンも多いという話から、

「東京で働くビジネスマンより、家族と過ごす時間が1日で5時間も6時間も多いのではないでしょうか。(中略)それでそこそこの安定した生活が送れるなら、それも『成功』と考えて良しとすべきではないでしょうか」
「みんな変わりなく、普通の範囲内で収まる人生でいいじゃないですか」

と持論を述べている。(MM)

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