2020年 9月 29日 (火)

東芝にみる「派閥」の負の力学 「合議制ピラミッド」の落とし穴

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   東芝の不適切会計の問題は、遂に歴代3社長の辞任という形で経営責任に及ぶに至りました。新聞報道を見る限りにおいてその根本的原因は、歴代社長間における権力争い、すなわち事業部間における勢力争い、言いかえれば派閥争いという問題に立脚した歴代トップの行き過ぎた目標達成命令にあったようです。

   派閥とは、同一の組織内において利害を一とする人たちの集団のことを指します。利害が一致するか否かが、単なるグループとの最大の違いです。1番分かりやすい例は、政治政党における派閥です。

事業多様化の中で起きた変化

派閥、か・・・
派閥、か・・・

   仮に派閥のトップが首相や政党の代表になれば、その派閥に属する者は組織内外の要職に着くことができ、地位的あるいは経済的にも様々な恩恵が得られるわけで、当然、自身の派閥の長がなんとしても組織の長に立てるように努力を惜しまないのです。また、派閥争いが行き過ぎてしまうと、同一組織内で足の引っ張り合いが起き、最悪は離党、解党などということにまで及んでしまうのも間々あることです。

   会社組織に翻ってみると、オーナー企業においては同族間での権力争いが起きるような事態を除いて派閥というものはあまり縁がないと言っていいと思います。なぜなら、オーナー企業においてはオーナー=社長が経営の全権を有しており、オーナー家以外の社員はどこまで出世してもナンバー2止まりであるならほとんどの場合その権限もごく限定的なもので、派閥を構成しても派閥構成員たちのメリットはほとんどないからです。

   つまり派閥争いというものは、たいていはサラリーマントップ企業に特徴的なお話なのです。中でもトップの座につくことで、権限、名誉、報酬等々でそれなりのメリットがある企業のみ。細々と生きている弱小企業や、大企業でも赤字続きでトップに座るうまみのない企業では派閥はできません。作ったところで意味がないですから。

   東芝は、言わずと知れた日本を代表する大企業です。その実態は、「電力・社会インフラ」「コミュニティ・ソリューション」「ヘルスケア」「電子デバイス」「ライフスタイル」の5つの事業グループで事業を進めています。トップ人事に関しては、以前は絶対的事業基盤であった「電力・社会インフラ」グループからほぼ毎回トップが輩出されるものと暗黙に決まっていたものが、ここ最近は事業多様化の中でその流れが崩れました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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