「妊婦のエビちゃんがハイヒール」で大騒動 危険行為?批判は偏見?

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   今(2015)年6月に、第一子の妊娠を公表した、人気モデルの蛯原友里さん。かつては『モテ系OL』として一世を風靡したエビちゃんが、都内でファッション4誌の合同イベント「『しごとなでしこ』スーパーファッションショー」に登場したところ、ネットの一部で批判が噴出しました。

   彼女は当日、大きなお腹が目立たないワンピースに、10センチ以上のハイヒールを合わせて登場。その様子を見て、ネットでは一部、「妊婦なのにハイヒールは危ない!」とか、「いや、仕事だから仕方ない」など、賛否両論が巻き起こったのです。母親になっても仕事を続ける女性が増えた今、この問題は、働く女性、そして男性たちに、貴重な論点を提供してくれたように思います。

「1日で体調急に変わったりするよ」

妊婦ですが何か?
妊婦ですが何か?

   「蛯原友里 妊娠7か月でランウェイ」(デイリースポーツオンライン、2015年7月30日)では、「『しごとなでしこ』スーパーファッションショー」の様子を、次のように報じています。

   エビちゃんは、「かわいい系の水色のノースリーブワンピース」と、「赤ワンピースに黒ジャケットを合わせ、足元は10センチ以上はある黒いピンヒールで、颯爽とおしゃれマタニティルックを披露した」――。写真を見ると、確かにヒールはけっこうな高さがあるように見えます。妊婦さんとはいえ、プロのモデルですから、何らかの工夫や配慮をして、ランウェイを歩いたのかもしれません。

   しかし、ツイッターでは、「エビちゃんが妊婦でハイヒール履いてランウェイを歩いてる姿をみてなんだかなーって思ってしまった」とか、「10センチのピンヒールで颯爽と・・・なんてやめてほしい。それで歩くのも、それを『颯爽』と表現するのも」などの意見が、多く見つかりました。主に女性からの投稿だと思われますが、「心身ともに大変な時期の妊婦さんに、おしゃれで素敵なイメージだけを印象づけるのは止めて!」とも取れそうな意見です。

   女性専用の掲示板「ガールズちゃんねる」では、批判的なコメントが目立ちました。「ヒールなんて履いて転んだりしたらどーすんの?」という人もいれば、「私も今妊娠中だけど、1日で体調急に変わったりするよ。ヒールで高いランウェイを歩くのは危ない」という、現役妊婦さんからの声もありました。

「妊娠したら仕事しちゃいけないの?」

   エビちゃんが、大きなお腹でモデルを続けることに、「周りからのプレッシャー」があったのでは、という意見も。「仕事とはいえ大事な時期なんだから、もう少し考えてあげてほしかった」という人もいれば、「ヒールは履かされてるんだろうな・・・」などと同情を寄せる人もいます。

   一方、エビちゃんだけが特別ではない、との主張も、ちらほら。「そこらへんの妊婦も臨月まで働いてるよ。仕事でちょっとヒールはいて一瞬歩くだけなんて、それに比べたら楽じゃない?」という女性もいました。

   そう、大きなお腹で、出産ギリギリまで仕事を頑張る(もしくは頑張らざるを得ない)のは、モデルさんだけではないのです。高齢出産が増え、重要なポストにある女性が、臨月ギリギリまで働くというケースも、珍しくありません。

   そんな「働く女性のリアル」を、エビちゃんの「妊娠7か月でランウェイ」は、象徴しているように思えます。掲示板への書き込みでは、

   「『ゆっくりしてなよ』『妊婦なのにまだ働くの?』とかいう意見多いけど、妊娠したら仕事しちゃいけないの? 一般職でも臨月まで働く人は、普通にいる。こんなに、女性が女性に冷たいなんて、少子化が進むのも頷ける」という、切実な意見も。妊婦となったエビちゃんの「ハイヒールで仕事」問題、彼女のファンだけでなく、働く男女みんなで、ぜひ考えて欲しいと思います。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
【Facebookページ】北条かや
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